【口は災いのもと】(新釈ことわざ辞典)記事版
スパコンのシミュレーションで飛沫の拡散プロセスが明らかになり、格言の正しさが立証されました。マスクで口を覆うルールで災いを防いでいますが、《声》は洩れるようです。口から飛散した《声》が災厄をもたらすシミュレーションや実証実験が望まれます。
私の持ちネタのひとつに、釧路湿原など湿地帯が話題に出た時に、突然、両目を見開き、両手で口を抑えて、
「ハッ!」
と叫ぶ《芸》があります。
何でもない会話の途中で唐突に出現するため、《初見》の人は、
「ど、どうしたの?」
とうろたえますが、妻や娘は、
(……やれやれ、またですかい、ダンナ……)
とあきれた表情で、でも、ゲストは驚いたままなので、
「ハイハイ、《失言》したのね」
と《ツッコミ》を入れてくれる。
── ありがたいことです。
子供の頃からお調子乗りで、TPOを弁えず、しかも後先考えずに《ウケ狙い》で口走る私は、まさにこのことわざを体現しています。
若い頃、ある会議で自動車メーカー・フォードの技術者と名刺交換した後、ウケるかと、
「いやあ、FORDって、
“Failure Or Repair Daily(毎日故障か修理かのどちらか)”
の頭文字を取ったって、本当ですか?」
と笑いながら言ったら、相手の顔が強張りました。
「いや、ジョークです」
と付け加えたけど、強張ったまま、
「I know」
と冷たく言われましたね。
政治家の《失言》のほとんども、後援会主催などの講演やパーティーなど内輪の集まりで、《ウケ狙い》で言ったことが録音録画されて拡散し……というパターンが多いようです。
……でもやはり、《本音》が出てしまうようですね。
《再勉生活》の始めの頃、日本の閣僚が米国の黒人を蔑視するような発言をして、問題になったことがありました。
米国の田舎町に住んでいた私たち一家が、アパートの階下に住む、《KONISHIKI似の魔女姉妹》に《箒》で攻撃を受け始めた(⇓)のはちょうどこの報道があった頃でした。
おそらくリンクしていたのだろう、と思っています。
政治家も人間だし、私自身、他人のことを偉そうには言えませんが、やはり日本政府を代表する人たちは、発言に気を付けて欲しい、と思いました。
先月後半、海外で山歩きをしました。
帰国便に乗る前日、空港でPCR検査なるものを受けたのですが、唾液で検査するシステムでした(幸い陰性でした)。
「……なるほど、キスしたら感染するわけだ」
《小鳥のキス》ならともかく、ディープなヤツはほぼ100%感染るでしょうね。
想い人に《誓い》をたてた江戸時代の遊女のように、
「体は許しても、唇は許さない……」
というのは、感染防止の観点から推奨さるべき心意気だったかもしれません。
一方で、《キス》が「口内細菌やウィルスを交換し合う行為」であり、免疫力を高める効果がある ── という説もあります。
以前のように、保健所が《感染経路》と《濃厚接触者》を熱心に調査しても、
── それは、絶対言えません ──
という相手もいたのでしょうね……。
そりゃ、言えません、よね……。
《口は災いのもと》ですから……。
なお、感染症予防のために「生身」の人間とのキスを敬遠する方には、ESC社の《Mobile Lips》をおススメしています!