GOROmanさんの「ミライのつくり方 2020-2045」を読んで ~その2~
その1の続きです。この本は私の座右の書なのですが、なんとなく私が想い描いていた未来や想像を、明確に言葉にしてくれているところが素晴らしいです。そして、言葉のセンスも。
1.「キモズム理論」
特に私が大好きなのが
「キモズム理論」
です。
キャズム理論をベースにした理論で、このキモズムの壁を越えられるかどうかが、VRが広く世間に普及するか否かの分かれ目になっています。詳しくは書籍を読んでいただくとして、一番のポイントはキモズムの境界線が「女性がカッコイイものとして受け入れる」「生活必需品となっている」というところです。
タッチメソッドでキーボードをガンガン打っている姿を見た女性から「キモい」と言われる時代があったのは、なんとも不思議な現象ですね。それが、キモズムの壁を越える前の時のこと。
掌を返したように、皆が一気に共感したり理解をし始めたりする瞬間はきます。それまでに時間がかかることも多いですが、VRが今のご時世にぴったりはまるものなのは間違いありません。
2.未来へのキーワード
未来へのキーワードとして特に心に刻まれたものをいくつか紹介しますね。
①「ペーパーパラダイム→空間パラダイム」
PCはデスクトップと言われているように、机の上に広げていたものをモニターに映しています。でも、それはあくまで二次元的な変化。私たちは、空間すべてを仕事・遊び・表現の場にできてはいないのです。これからは空間すべてが表現の場になると私も考えていたので、空間そのものへとパラダイムシフトしていく変化は、これからの未来に必須の要素だと確信しています。無限という響きに、ドキドキするワクワク感。
空間すべてがワークスペースだったら。そんな風に思うことは私もよくあります。
空間をジャックし、空間をデザインすること。それができるためには、柔軟な発想が必要になります。無限の広がりと空間は、私たちの前に拡がっています。
②「航空機業界のコレカラ~移動することの再定義~」
私自身航空機関係のお仕事をしているので、このあたりの指摘はドキっ!とさせられました。正直、危機感を強く感じていたからです。そのくせ、どこかでその危機感から目を背けようとしていたり。でも、物理的な移動そのものを再定義していかざるをえない現状がやってくることは明白です。
物理的に移動しなくても、移動した先での体験が十分に価値あるものだとしたら・・?安全に、現地の人と話したり現地の空気や温度を感じることができたとしたら?
飛行機に乗ることそのものを目的とする人でなければ、移動した先での体験が得られるのならば飛行機には乗らないという選択肢も生まれてきます。
「これで十分じゃない?」
ということに気づいてしまう。
それがスタンダードになったとき、その先にある未来は・・?
誰かの体験を追体験するという楽しみの消費が生まれるでしょう。ゲーム実況ならぬ、旅実況。決して物理的な移動や旅の価値が下がるのではなく、逆に別な付加価値がつく。
移動することの再定義後、生まれるであろう職業は「旅人」。
今も似たスタイルで世界を旅している人もいますね。
・・ああ、なんということでしょう!
私自身の世界の狭さを振り返ると、めまいがします。旅体験の乏しい私は、自由に世界を旅する旅人の視点で旅共有して体験を埋めていくのでしょうか。・・この悔しさはなんだ。
③「国をツクル」
エストニアに代表される、電子立国。その可能性は無限大ですね。
生まれた国や国籍にしばられず、自由に自分自身で国家を選ぶ時代がやってくる、とGOROmanさんは指摘します。
生まれた国は選べないと思い込んでいた私。でも、住む国や所属する国が選べるとしたら・・。さらに、自分自身で建国できるとしたら・・?
国に頼ってみたり、期待してみたり、裏切られてみたり、絶望してみたり。
・・もうさ、そういうのダサい!
そもそも他の人が都合よく創り上げたシステムに後から参加してきて、変な期待すんな!
物足りなければ、自分で創る時代。
誰かのせいにして不満を言ったり、腐ったりするのは誰にでもできる。
でも、それではこの世界の豊かさに気づけない。
未来への希望がないならば、創ればいい。
未来を創るとは、そういうことなのかもしれません。
3.さいごに
GOROmanさんの新刊
「ミライをつくろう!VRで紡ぐバーチャル創世記」
が、今日私の自宅に届きます。
「ミライのつくり方 2020-2045」の答え合わせの文章もたくさん載っているようです。
covid-19がきっかけではありましたが、virtual worldがより身近に、生活に不可欠なものとして感じられる機会はとても多くなってきました。
一気に加速していく現在と、近づいてくるミライ。
かつての未来は、もう私たちの掌の中に。
私は、星をつくります。
ブルーオーシャンでも、ニッチでもない、新しい星を。
「そんなの無理だ」というのは簡単です。
でも、私にはささやかな希望がみえています。
この手の中に。