ばばの想いと花と絵、ときどき孫。
ばばは、わたしの祖母である。
初孫であったわたしは、お花好きなばばにいろいろな場所へと連れて行ってもらった。
ばばが花の絵を描く小さな小屋によく連れて行ってもらった。わたしが小学校に上がったくらいから入れてもらえるようになった気がする。
祖父母の家の庭に建つ、小さな小屋。これが、祖母が趣味で花を描く部屋。プレハブ。
このプレハブは、掘りごたつになった机が中央にある。その周りは、画布に描かれた花の水彩画でいっぱいだった。絵の具は、床中に散りばめられている。
ばばが水彩画を書く横で、わたしはお花の図鑑を読むのがお決まりとなっていた。
おかげで、わたしは周りの人よりは、花の名前をすぐ答えられるようになった。花になんか興味がなかったけれど、ばばのおかげで花に興味を持つようになった。
ばばは、友人や絵を教えてくれる先生の絵の展覧会にも足を運んでいた。わたしは、だいたいの展覧会にお供した覚えがある。
ただ、一回だけばばを困らせたことがあった。
それは、わたしが小学校3年生のとき。そのとき、半ズボンのサロペットがお気に入りのファッションスタイルだった。
ばばは、その格好で知り合いの展覧会に連れて行くのが恥ずかしかったんだと思う。だから、わたしに指定した服に着替えるよう、何度もわたしを説得した。
わたしは、嫌で嫌でわんわん泣いた。
その押し問答が一時間近く続いたのち、ばばが折れた。
その格好で、外出することとなった。
わたしは、うれしかった。
日が暮れた頃、ばばと展覧会に向かった。わたしはばばと手を繋いで、おしゃべりに花を咲かせた。
しかし、ばばが最寄り駅よりも真っ先に向かったのは、近所の長崎屋というスーパー。そこの子供服売り場だった。もう、何も言わなかった。
このときばかりは、ばばの想いに沿う様、積極的に品の良い服を選んだのを覚えている。
銀座の展覧会に行くのに、こんなボーイッシュな格好じゃいけない。子どもながらにそう思った。
けれど、たまには物わかりの良い子ではないわたしも受け止めてほしかった。そんな、反抗心からわたしは、初めてばばを困らせた。
「邪魔をしてはいけない」
あっという間に物わかりの良い子でいなきゃという想いに駆り立てられた。
わたしは、この日
ばばを困らせたことを反省して、精一杯の良い孫でいようと行きの電車で決めた。
会場に着いて、挨拶をするばばは、もう笑顔のご婦人へと早変わりしていた。
帰りの電車に乗る頃、ばばはルンルンとわたしに話しかけていたので、わたしは安心した。
次の日、ばばは、ばばの日課である
コメの研ぎ汁で、お花の水やりに精を出した。ボウルいっぱいに入ったコメの研ぎ汁を台所から庭に運ぶ。いつも、思う。とても重そう。
でも、水道水じゃなくて、栄養一杯の研ぎ汁であげるのが、ばばの幸せなんだ。
お花とエッセイに参加します!
本日もお読みいただき、ありがとうございました😊🌸
むぎあじ。