丸投げは破滅地獄への一里塚
(プロマネ亭コラム#7)
業務委託が責任放棄にいたる悪魔のステップを次に示します。
step1:仕事が忙しくて間に合わない。
step2:外部の業者から人を派遣してもらい、仕事を手伝ってもらう。
このときはまだ仕事の責任は自分にあると思っている。派遣者のミスが自分の指示の悪さに有ったとしたら自分が責任を負うのは当然だと思っている。
step3:派遣者で穴埋めしてきたが、仕事の忙しさが限度を越えてきたので、業務のまとまった部分を外部の業者に委託する。最初のうちは委託した業務についての進行状況や品質や問題点について委託先と綿密にコミュニケーションをとっており余り問題は発生しなかった。
step4:さらに忙しさが増し複数の仕事を抱えざるを得ない状況になってきた。もう委託先の仕事の状況を見る余裕すらなくなってきた。委託業務の細かい指示もできなくなり、自分の専門領域の技術を学習する時間も無くなり、自分の主な仕事は多数の外注に仕事を割り振ることだけになってきた。
step5:外注から納入される成果物に多くの欠陥が発生するようになった。
step6:多数の欠陥品に対して自分では到底その責任を負い切れないので、委託先外注に対してその非を責め続け製品責任の転嫁をせざるを得ないようになってしまった。
step7:step4~step6の悪循環がくりかえされると同時に、学習不足の結果は自分の専門的なスキルを劣化させ、外注へまともな指示すら出せなくなってしまった。
step8:回復不可能な大障害が発生してしまった。
この悪魔のサイクルはstep3で止めなければいけなかった。悪魔のサイクルを止める役割・責任はマネージャにあり、仕事の分散だけではこの問題は解決できない。仕事のプロセスの見直しや仕事のやり方の見直しも必要となる。更に開発力の強化も必要となる。多くのムリ・ムダの排除のためのリスク排除活動も必要となる。担当者に直接的な責任はないが、そのひどい状況およびそれを放置していたらとんでもないことになるリスクについて諦めることなくマネージャたちに発信し続ける義務はある。