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【おすすめ写真展】奈良原一高のスペイン


奈良原一高のスペイン―約束の旅

先月写真展に行きました。

奈良原一高という写真家を知っているでしょうか。日曜美術館でも特集されてましたね〜


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写真家 奈良原一高

1960年代〜活躍した戦後日本を代表する国際的にも評価の高い写真家さんです。

1959年に写真家団体VIVOを東松照明、細江英公、川田喜久治、佐藤明らと結成する。あくまでも個人的な視点にこだわる「パーソナル・ドキュメント」としての写真を目指す共通性があった。また、写真展、写真集を目標に、シリーズとして作品を組み上げていくスタイルも彼等が最初に打ち出したものだった。東松、奈良原、細江らの作品は、欧米の写真界でも広く知られるようになり、初めて国際的な舞台で正統的に評価されるような写真の形をとっていった。 飯沢耕太郎 キーワードで読む現代日本写真 フイルムアート社より

現代写真に通じる日本写真作家としての基盤をつくった方でした。そして大変失礼ながらご存命ということも知りませんでした…


奈良原一高のスペイン―約束の旅

1960年代のシリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉1962年から65年までヨーロッパ滞在中の写真に着目した展覧会です。


写真集「人間の土地」や「王国」のそこに生きる…みたいな(全然説明できずすいません…ぜひ見てみてください!)イメージだけしかなく、ファッション写真で活躍されていたというのも今回の展覧会で初めて知りました。今回のためにニュープリントというのもしびれる内容です。


20代で、成功し仕事の基盤が完成した奈良原はヨーロッパへ旅に出ます。憧れのスペインで自分自身が写すべきものを模索したのでしょうか。
ふとしたストリート写真でも構図が本当に素晴らしかったです。
奥さんとの旅だったようで、一緒に行った友人は、素敵…とつぶやいていました。


偉大なる午後 写真集デザイン

この写真集デザインがわたし的に大ヒット 色使いや表紙も好きです。

現代のデザインに引けを取らないぞ…と思ってたらグラフィックデザイナー勝井三雄氏(1931-2019)という日本を代表する偉大なる方でした。

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https://made-in-wonder.com/item_detail.php?item_id=600


最後の部屋では、ファッション写真やデザイン試作ポスターの展示があり、このポスター欲しい…と何度もみつめてしまいました。 かっこよかったです。 


終わりに

奈良原一高の写真をあらためてみて、写真が持っている不思議なパワーを感じました。写真を撮っている人なら感じると思うのですが、ふとした瞬間の写真ほど撮るのって難しいです。じっくり1つの写真と向き合ってみると、写真家がこの場面を撮るためにどれくらいシャッターを切ったのかな?とか、スペインのその時を写すということはどんな意味があったのだろうと想いが巡る展示でした。写る人や牛の表情も多彩でたのしかったです。


日本現代写真の第1章を学べるいい機会でした。日本写真は海外のアート写真とはまた違った道すじがあって興味深いです。

奈良原一高スペインの旅は1月26日まで世田谷美術館にて開催中です。




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