蕁麻疹の原因は疲労!?蕁麻疹と疲労の関係を解説
疲労は蕁麻疹の原因のひとつです。
「アレルギーは持っていないのになぜ蕁麻疹が出るの?」
「変なもの食べていないのに蕁麻疹が出る」
原因がわからない蕁麻疹は不安ですよね。
もしかしたら、その蕁麻疹の症状は疲労からの可能性も!
この記事では以下の5点を中心に解説します。
蕁麻疹とは
蕁麻疹の原因
疲労と蕁麻疹の関係
疲労による蕁麻疹の治療
疲労を回復させるには
疲労回復のポイントを参考に自分の体を労わり、蕁麻疹を改善しましょう。
蕁麻疹とは
日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドラインでは、蕁麻疹は「膨疹、すなわち紅疹を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患であり、多くは痒みを伴う」と定義されています。[1]
簡単に言うと「ボコっと盛り上がった赤い湿疹で、一時的、部分的な皮膚症状が出たり治ったりする状態で、痒みが出ることが多いですよ」ということです。
蕁麻疹という病名は、蕁麻と書いてイラクサと読む植物の葉や茎に触れると、痒くなったり湿疹が出ることから名付けられたと言われています。
蕁麻疹の症状
蕁麻疹とは、はっきりとわかる円形や地図のような模様が皮膚に現れる病気。
痒みが出ることが多く、我慢できないほど痒くなることも多いです。
場所によっては見た目が悪い、痒みがひどくて眠れないなど日常生活に支障をきたすことも。
また数分で治まる蕁麻疹から数日間も続く場合もあります。
場合によっては毎日同じ時間帯に出て、数か月も続くケースも。
蕁麻疹は以下の、やわらかい皮膚に場所に出やすい傾向があります。
太もも
おなか
おしり
膝の裏
顔
首
やわらかい皮膚以外にも、全身のどの場所にも起こりえます。
蕁麻疹の原因
蕁麻疹は大きく以下の2つのタイプに分けられます。
原因がわからないタイプ・・・特発性蕁麻疹(急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹)
原因がわかっているタイプ・・・刺激誘発性の蕁麻疹(アレルギー性、食べ物、皮膚への刺激や接触など)
原因がはっきりしている蕁麻疹は全体の2~3割と言われています。
大部分は原因がわかっていません。
疲労が蓄積すると蕁麻疹が出る理由
蕁麻疹診療ガイドラインでは、原因不明の特発性蕁麻疹の可能性として次の4点を挙げています。[2]
感染
食べ物
疲労・ストレス
自己抗体
疲労・ストレスが可能性のひとつですが、疲労・ストレスによって蕁麻疹がでるメカニズムは詳しくわかっていません。
仕事などの緊張やストレスから開放され、自宅でリラックスするタイミングで出ることがあります。
また入浴後などは体が温まり、血流がよくなるので余計に出やすくなるようです。
メカニズムは不明ですが、疲労とストレスはとても深く関係しています。
疲労がストレスの原因になり、ストレスが疲労の原因にもなるという相互関係です。
疲労とストレスが、他の原因によって出た蕁麻疹を悪化させてしまうこともあるので注意しましょう。
疲労に関しての詳しい記事はこちらを参考にしてください。
疲労による蕁麻疹の対処方法
疲労による蕁麻疹のメカニズムがわかっていないからと、不安になる必要はありません。
蕁麻疹の治療は「薬を使った治療」と「原因を探して取り除く」の2つです。
原因がわかっている蕁麻疹も同じ方法で治療します。
蕁麻疹が出た場合、私たちができる対処方法を順番にみていきましょう。
①皮膚科を受診する
受診の目安として、以下の状態を参照してください。
広範囲に出ている
痒みがつらく、生活に支障が出ている
頻繁に繰り返している
受診すると採血などの検査をして、どのタイプの蕁麻疹か、原因は何かを調べます。
治療は症状によって違いますが、抗ヒスタミン薬を中心とした薬での治療がメインです。
塗り薬だけでなく、飲み薬が処方されることもあります。
体質改善のために漢方薬が処方されることも。
受診の際に注意することは、症状を正確に医師へ伝えることです。
蕁麻疹は一時的なことも多く、受診のときには改善している場合もあります。
「赤い湿疹がバーっと出た」など抽象的な表現では医師が判断できません。
スマホで撮った写真を医師に見せることはとても有効です。
②市販薬でセルフメディケーション
痒みが出てもすぐ良くなる場合は、市販薬で治療する方法もあります。
市販薬は抗ヒスタミン薬の飲み薬や漢方薬、塗り薬などいろいろ販売されています。
どの市販薬を使えばわからない時は、薬剤師や登録販売者に相談してみましょう。
市販薬を使っても改善しない場合やひどくなる場合は受診をおすすめします。
蕁麻疹を改善したい!疲労回復の方法
疲労が原因の蕁麻疹は薬を使用するだけでなく、疲労回復も大切です。
疲労回復させることで蕁麻疹を改善するだけでなく、予防にもつながります。
疲労回復する方法として、「栄養」と「睡眠」はとても大切です。
栄養と睡眠がしっかりとれているかを、確認してみましょう。
疲労回復の方法①:栄養を摂る
疲労回復にはバランスのよい栄養が欠かせません。
1日3回朝昼夜に必要な栄養素を補給することで、体はエネルギーを作り出すことが出来るからです。
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」、農林水産省は「食事バランスガイド」を通して、栄養の大切さを訴えています。
国がいかに栄養を重視しているかが分かります。
特に「食事バランスガイド」はイラストでわかりやすく説明されているので参考にしてください。
バランスのよい食事を摂ろう
大切なのは、バランスよく栄養を摂取することです。
ビタミン剤やサプリメントはあくまで食事の補助。
食事にプラスすることで、意義があるという認識を持ちましょう。
食事は5つをバランスよく摂りましょう。
主食(ごはん、パン、麺)
副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)
主菜(肉、魚、卵、大豆料理)
牛乳、乳製品
果物
どうしてもバランスが悪くなってしまう場合は、栄養補助食品やサプリメントなどの補給がおすすめです。
野菜が足りない場合は野菜ジュースを足すとバランスがとれます。
規則正しく1日3回食事を摂ることは、睡眠習慣の改善にもつながるので疲労回復に有効です。
食欲がない場合は消化の良いものを
疲労がたまり胃腸も疲れると、食欲が落ちて栄養吸収がうまくいかないことがあります。
食欲がない時でも、消化によい食事を少しずつ摂ることから始め、徐々に量と種類を増やしていきましょう。
消化によいものと避けたほうがよいものをまとめました。
疲労がたまった時は、消化の良いものを摂るようにしましょう。
疲労回復の方法②:睡眠をしっかりとる
疲労回復には睡眠も大切です。
厚生労働省が「健康づくりのための睡眠指針」を出していることからも、国が睡眠の重要性を認識していることがわかります。
疲労回復するための睡眠の9つのポイントを紹介します。[3]
適度な運動習慣をつくる
寝る直前の激しい運動や夜食は避ける
寝る前の飲酒や喫煙は避ける
6時間以上8時間未満の睡眠をとる
入浴はぬるめと感じる温度で適度な時間、ゆったりとする
寝室の室温やふとんの中の適温にする
寝る前に明るい光を見ないようにする
気になる音は出来るだけ遮断する
体内時計のリズムで早寝早起きを心がける
無理なくすぐに取り組める内容なので、参考にしてください。
また最近は寝る前にスマホを見る方も非常に多いのではないのでしょうか。
スマホの光は睡眠に良くありません。
ふとんに入ってから、スマホを見るのを避けることで良い睡眠につながります。
睡眠の質を高めるための秘訣をこちらの記事で紹介しています。
>>自律神経と睡眠をつなぐ深い関係、眠りの質を高める5つの秘訣
「疲労」が原因の蕁麻疹は改善できる!
この記事では疲労と蕁麻疹の関係を解説しました。
疲労を回復させるにはバランスよく栄養を摂ること、しっかりと睡眠をとることが重要です。
無理なく取り組み、毎日の生活の中で今日から始めてみましょう。
疲労回復することで、蕁麻疹の治療や予防に取り組むことができます。
【参考】
[1]日本皮膚科学会:蕁麻疹診療ガイドライン2018
[2]蕁麻疹診療ガイドライン
[3]健康づくりのための睡眠指針
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