女性の不調と漢方の関係を薬剤師が解説
忙しい毎日を送り、ストレスの多い現代を生きている方へ。
情報が多い現代においては、肉体的な疲労感よりも精神的な疲労がメインであることが多くあります。
女性であれば妊娠や出産、子育てなどで健康状態が大きく変動することも。
歳を重ね特に「働く世代」になると、リフレッシュがなかなかできず、自分でも気づかないうちに疲れがたまり体や心、肌に不調を感じることも少なくありません。
この記事では、気づかない間に溜まっていく疲労と女性特有の不調に関して、また女性の不調と漢方に関して薬剤師が解説します。
疲労感は様々な病気に対しての体のSOS
「朝起きるのがだるい」
「寝てるはずなのに、日中に眠気が強い」
「1日の終わりにどっと疲れが感じる」
歳を重ねるごとに、疲れの症状はありませんか?
疲れは以下の不調につながります。
免疫の異常応答と言われるアレルギーを起こす原因
抵抗力が落ち感染症になりやすくなる体質になる
不眠やうつなど精神症状の原因
月経痛、腰痛の原因
疲れはさまざまな不調症状へ繋がる身体のSOSです。
1日寝て治る場合は問題ないですが、寝ても疲れが取れず倦怠感が続く場合は放置せずに、早めに対処しましょう。
女性のホルモン周期が不調に影響
毎月の月経周期によって女性ホルモンの分泌の波が起き、女性の体や体調は常に影響されます。
ホルモンバランスの変化に身体が対応できなくなることによって、冷えやむくみ、イライラ感、肌荒れなどが起きます。
ホルモンバランスの変化による体調コントロールの難しさに悩んでいる人も少なくありません。
女性ホルモンの変化は、体調だけでなく人生にも大きく影響します。
特に思春期、妊娠・出産期、更年期はホルモンの分泌が大きく変動し、さまざまな不調が起こりやすい時期です。
ホルモンバランスの乱れによる、月経痛に関しては「疲労ケアでホルモンバランスを整えつらい月経痛をやわらげよう」の記事で紹介しているので読んでみてくださいね。
ここでは女性の不調や、疲れに関して解説します。
女性に多い不調とは
女性に多くみられる体への不快な症状や不調については以下のものがあげられます。[1]
冷え
肌荒れ
腰痛
便秘・下痢
うつ・不眠
頭痛
だるい・疲れる
むくみ など
あてはまるものはありませんか?
異常がないのに疲れやすい
不快な症状や不調があって病院で検査をしても「異常なし」といわれることが多くあります。
特に疲れやすいという症状は「異常なし」と診断されることも。
疲れやすいとは、さまざまな表現方法がある症状です。
最近すぐに疲れる
朝起きた後の倦怠感がひどい
仕事での集中力や頑張りがきかなくなった
夕方からはぐったりと倦怠感がする など
30から50代女性の未病の実態としてのアンケート結果を紹介します。[2]
病気であると自覚している人を除いた、84.8%が、何らかの不調を感じていることがわかりました。
具体的にはどのような不調があるのか、よく感じる症状を聞いてみると、最も多いのが「疲れやすさ」です。
「疲れがとれない」「だるい」といった疲労に関する項目も上位に入っています。
病気ではないけれど、なんとなく「疲れる」という症状に悩まされている女性が多いという実態がわかりました。
疲れはQOLの低下につながる
日常生活の充実度、生活の質を高める指標としてクオリティ・オブ・ライフ(QOL)があります。
疲れにつながる「倦怠感、脱力感」という症状は、仕事だけでなく育児などに影響することが考えられます。
よって生活の質であるQOLが低下する結果に。
「倦怠感、脱力感」によって疲れやすい症状が強くなり疲れが長く続くと、人は健康であるという気持ちを無くしてしまいます。
結果、生活に対しての楽しみを失う体調につながるのです。
また、疲れはうつや睡眠障害などの精神症状、肌荒れ、冷え、むくみなど様々な症状の原因ともなります。
疲れの症状は女性に特徴的なものではありません。
しかし月経前の数日間や産後、あるいは更年期という、女性に特有のライフステージでは起こりやすくなります。
原因としては、女性ホルモンによる心や体への影響や変化です。
心や体が耐えきれなくなり自律神経が失調する状態となりやすくなります。
自律神経に関しての記事は以下をチェックしてみましょう。
女性の不調と漢方
自覚症状はあるが、検査で異常なしといった諸症状には漢方薬が有効。
有効な理由は、漢方薬は多数の成分を含んだ天然の生薬が組み合わされた処方だからです。
漢方薬は身体の様々な部位に複合的に働き、全身のバランスを整えることによって症状を改善していきます。
自律神経失調症や不定愁訴など、西洋医学では診断(病名)がつかない症状に対してもアプローチすることが可能です。
なぜ女性の不調に漢方薬なのか?
例えば、熱が出ているなら解熱剤、痛みがあるなら鎮痛剤というように、原因や対処方法がはっきりしていれば、西洋医学的な対策が立てられます。
しかし女性特有のトラブルの多くは原因がはっきりしないため、西洋医学的な治療の対象にならない場合も。
漢方薬は、西洋薬のように薬が特定部位に作用して治療するわけではありません。
「からだ全体を整え、その結果自然治癒力を高めることで飲んだ本人が治す」といった考え方で治療を進めていきます。
そのため、西洋薬では治療薬がなかったり、対象とならなかったりする「なんとなくだるい、日中眠い、疲れやすい」などの訴えでも漢方薬なら効果的であることが多くあります。
「女性だから…」
「年だから…」など
つらい症状を我慢せず、日常に漢方薬をプラスしながらケアをしていきましょう。
女性の不調は漢方でスッキリ!
女性の不調はホルモンバランスの乱れに対応できなくなることからくることがわかりました。
疲れ・不調・倦怠感…
様々な言葉で表される不調は明確な診断名がつかずに不定愁訴として取り扱われます。
症状がはっきりしていないので西洋薬では対処できないことも。
そこで毎日の習慣に漢方を+(プラス)してみてはいかがでしょうか?
【参考】
[2]養命酒 未病の実態
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