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日本人は協調性がない!?

どうも、タジです。

先日、NewsPicksのオリジナル番組NewSessionの「世界の教育最前線」という回を視聴した際に、とても腑に落ちたことがあったので紹介させてもらえたらと思います。

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日本人は協調性がないと言われると、「そんなわけあるか!」と思う人が多いのではないでしょうか?

東日本大震災では、交通障害が起こってもみんな列をなしてバス停やタクシー乗り場に並ぶ姿が世界で称賛されました。

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コロナ禍で初の緊急事態宣言が発令されたときには、法的拘束力がないにも関わらず従う国民の姿を見て、

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と、協調性の高さを誇りに思ったものです。 

というのも一昨年上海ディズニーに行ったとき、まともに列に並ぶことができない自分勝手な中国人にイライラしっぱなしでしたから…。

その一方で、求められる協調性レベルが高すぎるとも思っていて、こちらの記事で紹介した福岡市立中学校の行き過ぎた校則の話なんかも、

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と、かなり違和感をおぼえました。

協調性の定義

そんなモヤモヤをスッキリさせてくれたのが、番組にゲストで登場されていたNPO法人SLOW LABEL 栗栖良依さんの次の発言でした。

協調性って日本が得意なことのように思うんですけど、日本の協調性って個人の個性を消して協調するっていう、いきすぎると同調圧力みたいな感じの協調性に向かいがちな気がしていて、それよりかは自分の個性を発揮しながらどうやってお互いの個性を活かし合いながら協調していくかっていう、協調のレベルを世界の標準に合わせてアップデートしていかなければいけない部分かなってすごく感じます。
引用|NewSession(2020/10/25放送)

なるほど、まったくそのとおりだと思います。

少し人と見た目がちがったり、少し人より多動であったり、少し人より貧しい家庭に生まれたり、少し人より大人びた考えを持っていたり、少し学校に行かない期間があったり、少しみんなと年齢がちがうだけで、高校生活が詰むというのはよく聞く話です。

去年、私の住む青森県の街ではじめてコロナ感染者が出たときは、犯人探しや嫌がらせ、入店拒否など大さわぎでした。
みんなで感染者を悪者扱いして、徹底的に攻撃する姿は子どものいじめそのもの。
県外ナンバーの車がリアガラスに「青森県在住です」というステッカーを貼って走っている姿を見たときは、なんて生きにくい社会なんだろうかとガッカリしました。

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日本人は家庭のしつけや学校教育を通して「空気を読む」という特殊能力を身につけ、それを美徳と感じるようにプログラムされています。

その結果、ひとりとして同じ人はいないはずなのに、「こうあるべきだ」というロールモデルを設定して当てはめるのが得意になり、そこから外れた個性的なものには違和感(や嫌悪感)を感じるようになるのです。

満員電車で泣いている赤ちゃんに対して文句を言う人も、「電車に赤ちゃんを連れて乗るなんて非常識だ」という自分勝手なロールモデルの設定や「公共交通機関では静かにすべきだ」という強すぎる同調圧力がイライラさせているのだと思います。

LGBT問題もそう。

1億2千万人以上住んでいれば、多動性でじっと列に並ぶことができない子どもがいたり、戸籍上の性別と自分が感じる性別とのギャップがある人だっていて当然です。

「協調」という言葉を辞書で調べると

性格・考え方などの異なった者同士が、互いにゆずりあって調和していこうとすること。
引用|Oxford Languages

と出てきます。

つまり、本来の意味での協調性とは「みんなちがってみんないい」と思えることなのではないでしょうか?

満員電車で赤ちゃんが泣いていても、寛容な心で見守ってあげたり、優しい言葉をかけてあげられることなのです。

そう考えると、日本人の協調性はないとまでは言いませんが、そこまで高くもないのかな?と思えてきますよね。

先日も私の後輩(男)が年明けに髪を茶色く染めて出社したら上司に怒られて、翌日黒く染めなおしたとこぼしていました。女性社員は許されているのに、です。

一方で、社会に出て活躍している人を見ると、多様な価値観の人たち(上司・同僚・部下・取引先)とうまくコミュニケーションが取れる人だったり、あえて異なる考えを持つ人たちと議論することで新しいアイディを生みだす人だったりと、協調性が高い人が多いと感じます。

子どもの協調性を高めるには?

だから私は子どもには協調性の高い子になって欲しいと思っているのですが、自然に身につくものではありません。

たとえば一糸乱れぬ軍事パレードの様子を見て、「協調性がある」と感じる人はいないでしょう。

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あれは訓練された集団パフォーマンスに過ぎず、「互いにゆずりあって調和していこうとする」自主的な行動ではありません。

でも日本の教育では、これと似たようなことを指導していて、

「起立!礼!着席!」

とか、何の違和感もなくやってきましたが、外国人から見るととても軍隊っぽく映るのだそうです。

他にも運動会の行進や式典のお辞儀とか、みんながキチっとそろうまで何度も何度も練習させられ、それを本番で保護者に披露してドヤッとする教師たち。

公教育の歴史は軍事教育にあるとはいえ、いまもその精神が引き継がれていることに違和感を感じます。

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これと対極にあるのが、モンテッソーリ教育です。

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モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。
引用|モンテッソーリ教育綜合研究所

日本では将棋の藤井聡太さんがモンテッソーリ教育を受けていたことが話題になりましたが、「子どもの好き」を尊重し主体性を重視する教育が特徴。

海外でも非常に人気の教育法で、Microsoft、Google、Amazon、Facebookの創業者など、優れたイノベーターを生み出しています。

興味や発達段階に見合った整えられた環境の中で、子どもは自分のやってみたい教材・教具を自由に選んで活動します。したがって、一斉保育型ではなく、個別活動を中心とした保育形態となっています。
引用|モンテッソーリ教育綜合研究所

全員が一緒にひとつのことに取り組むという時間が少ないため、よくモンテッソーリ教育のデメリットとして「協調性に欠ける」ということを言われるのですが、本当にそうでしょうか?

何度もいうように協調性とは空気を読むことでも自分の考え(やりたいこと)を曲げてでも周囲に合わせることでもなく、「みんなちがってみんないい」と思えることです。

そういう意味では、モンテッソーリ教育が導入している異年齢混合クラスは、「みんなちがってみんないい」を生活の中で感じることができる工夫がされていると言えます。

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そんな優れたモンテッソーリ教育ですが、残念なことに日本では幼児教育以外でその環境を用意することは非常に困難。

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こちらはモンテッソーリ教具を販売する「モンテママのたからもの」を運営されているAsakoさんのブログからの引用になりますが、

日本には、モンテッソーリ高校どころか、モンテッソーリ小学校、中学校もほとんどないですが、アメリカにはたくさんあります。
引用|モンテッソーリ育児 in アメリカ(2010/5/5記事)

なんだそうです。
私も今回の記事を書くまで知りませんでした。

日本では教育の自由化がなされていないため義務教育にモンテッソーリ教育を取りいれることが難しく、インターナショナルスクールが唯一の選択肢といってよいでしょう。

そこにお子さんを通わせている方の貴重な記事があったので紹介しますが、日本の小学校とのあまりの違いにおどろかされます。

抜粋すると、日本の小学校との大きなちがいは次の5つ。

① 時間割でなく、発達段階に合わせて準備をされた環境でのワークタイム&教科書なし
② 宿題がない
③ テストや相対評価の成績表がない
④ 3学年合同の少人数クラス
⑤ 学校に大きな施設は持たない

どうですか?
自分たちが小学生だったころの記憶とくらべると、「本当に大丈夫なの?」と思ってしまうことが多いですよね。

しかし、①に関していうと実は「時間割がない」のはモンテッソーリ教育に限った話ではありません。

「世界の教育最前線」のもうひとりのゲスト、Crimson Global Academy 松田悠介さんは次のように発言しています。

子ども一人ひとり状況がちがうじゃないですか。で、興味関心もちがうと。
その中で平均的に英国理数社ぜんぶ学ばなければいけないというのが、現代教育とのギャップを感じるところはあります。
海外で言うと結構高校のうちから科目選択できることが多かったりします。
イギリスのAレベルや国際バカロレアなんていうのは、多くの科目の中から子ども達が何を学びたいのかっていうのを自分で選ぶことができるんですよね。
引用|NewSession(2020/10/25放送)

重要なのは子ども自身で「選ぶ」ことなのだそうです。選ぶことで主体性が生まれ学ぶ責任も生まれる。
数学を極めたかったら数学ばかり学習してもいい。

昨年、コロナの第一波で休校中だった小学校6年生の男の子が、3DCGソフトを使ってたったの3日間で鬼滅の刃の無限城を制作し、その完成度の高さが話題になりました。

お父さんいわく「パソコン以外の点では典型的な小学生男子」だそうですが、個性を伸ばす教育というのはこういうことなんだと思います。

「世界の教育最前線」でグローバル人材について聞かれた松田さんの回答も非常に納得がいくものでした。

私たちが一番子ども達に育んで欲しいと思って大切にしていることは、「英語を学びましょう」ということではなく、「自分の好きを徹底的に探求しようぜ」っていう話をしています。
だから、なにでグローバルに戦っていくのか?ということがスゴく重要で、それがアートなのかスポーツなのかプログラミングなのかバイオなのか。
自分が情熱を持ってつき進めるものを見つけるってことがスゴく重要で、日本の子ども達と接していると、そこが難しい。そこを考えてきていないから。
引用|NewSession(2020/10/25放送)

無限城の少年も、学校教育の枠では平均的な子という評価になるのかもしれませんが、見方を変えれば小学生にして既にグローバル人材の素養が十分にあると言えます。

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①の「教科書がない」、③の「テストや相対評価の成績表がない」というのもなかなか衝撃的です。
特に中学受験を考えているご家庭では、お子さんをモンテッソーリ教育の小学校に入れるのにはかなり勇気がいるのではないでしょうか?

モンテッソーリ教育は自主性を尊重した個別活動が中心になりますので、そもそも他の生徒と並列で評価する必要がありません。
「みんなちがってみんないい」精神なので、受験戦争とは無縁の世界なのです。

お子さん自らが人と競うのが好きだったり、いい学校に入学することが目的であるのであれば構いませんが、そうではない場合、受験対策の早期教育は親のエゴになりかねないので注意が必要だと思います。

脳科学者の茂木健一郎さんは、日本の偏差値教育をいつも痛烈に批判していることで有名です。

偏差値を出すためには、単一基準で数値をならべなければならない。
多様な課題、多くの個性をもつ人間を、単一基準で評価できるなどという愚かなことを、なぜ日本の教育界は未だにやっているのか。
レベルが低すぎて、話にならぬ。
引用|茂木健一郎オフィシャルブログ(2018/9/28記事)
中学入試から始まって、高校入試、大学入試の「ペーパーテスト」単一基準による偏差値入試が、いかに日本の子どもたちの学習時間を奪っているか。
本来プロジェクトや探求学習に使えたはずの機会費用まで考えると、国家的損失である。
「偏差値」は、そのような日本の低レベル敎育の象徴だ。
引用|茂木健一郎オフィシャルブログ(2018/9/28記事)

②の「宿題がない」に関しては、最近読んだ本でもこのように書かれていました。

2016年にもデューク大学のハリス・クーパーによって、同様の調査が行われました。その調査によって、「宿題が多いからといって子どもの学力は上がらない」ということが改めて確認されました。さらに、「幼稚園~小学校の子どもへの宿題は、悪影響しかない」ことを明らかにしています。
引用|理系が得意な子の育て方

その理由については本書を読んでいただければと思いますが、ちなみに前出した日本のモンテッソーリ教育を導入校では、校長先生から「宿題は家庭の不和を招くだけ」と説明があったそうです。

④の「3学年合同の少人数クラス」は、小学校でも異年齢混合クラスが可能だということにおどろきました。
「時間割がない」「教科書がない」「宿題がない」だからこそ可能なのでしょう。

ちなみに前回記事で紹介した軽井沢の風越学園は幼稚園児・小学生・中学生混合なので、もっとスゴイですよね。

少人数にしている理由は、子ども達がそれぞれ別々のことをするので生徒数が多いとサポートに手が回らないからです。

日本の先生が30~40名を1人で見ていることを海外の先生は(たぶん良い意味で)スゴイと思うそうなのですが、私には子ども達を画一的にオペレーションできていることが(悪い意味で)スゴイと思えてきました。

さいごに

子どもの協調性を高めるには、まず言葉を再定義することがスタート。
その上で、意識的に環境を用意する必要があるようです。
なぜなら、「みんなちがう」ことを知るきっかけが少ないから。

日本で普通に暮らしていて異年齢の人、多国籍の人、障がい者や極度の貧困層の人など、自分とはあきらかにちがう人と触れる機会はそう多くはありません。

協調性が身につくモンテッソーリ教育が学べるのは幼児教育までで、小学校では高い学費を払ってインターナショナルスクールに通わせる(そもそも青森県にはない)しかありません。

社会に出てからも「みんなちがう」を受け入れる土壌はありません。
(これに関しては、子どもが大人になるころには改善されていることを願いたいですけどね)

とにかくたくさんの経験を積ませ、子どもの興味関心を広げてあげ、好きを徹底的に探求させてあげる。

これが私にできることです。

そのためにはコロナがいつ終息するかわかりませんが、親子留学も絶対に実現させたいですね。

この記事がみなさんの人生のヒントになれば幸いです。

それでは。


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タジ
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