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27. ジャンルとしての「Perfume」:ニューアルバム『PLASMA』を聞いて
さて、流れとしてはサイケデリック時期以降のビートルズについて語るところだが、ここで閑話休題としていくつか違うジャンルの音楽について書いてみたい。まずは、あのPerfumeの3年ぶりの新作アルバムとして話題になっている『PLASMA』である。
これまでの集大成とも言える3枚組の『P Cubed』(P3)で、ある意味一区切り感があったので、ファンにとっては「待ってました」というよりも「一安心」と言えるアルバムである。そして内容的にも、いつもの、我々が「こうでなくちゃ」と思えるPerfumeの作品が盛り込まれている。そう、これがPerfumeでこれこそがPerfumeなのである。その意味で、もはやPerfumeというのは「アイドル」という存在を超えた一つの「ジャンル」だと言えるだろう。我々が期待しているのはこのサウンドでありこの声であり、このダンスであり、このフォーメーションなのである(残念ながらCDでは確認できないのですが、先ほど9.24福岡のチケットがゲットできました。やったー!)。意地悪な人は「いつも同じ感じ」というかもしれない。しかしその「同じ感じ」を維持できることのほうがむしろすごいのである。しかもその「同じ感じ」は実は常に技術的(テクノロジー)的にも、サウンド的にも、パフォーマンス的にも更新されているのである。
その意味でアルバムにおいて注目したいのはシングルカットされることのない曲の方である。今回で言えば「Spinning world」はかっこいい。むしろこのタイプの曲を前面に出した方が、今の大人のPerfumeには合っているだろう。しかし、そうしないところもまたいい。「マワルカガミ」の歌詞に「ホントは震えても、だいじょうぶ、だいじょうぶ、だいじょうぶって言ってくれるキミの声が背中押して今日だってステージに立つの」という一節があるように、あくまで自分たちの原点にこだわるという意味でのアイドルであることへのこだわりがPerfumeにはある。これからもPerfumeは続く、もはやジャンルなのだからこれは永遠に続く。それを確認させてくれるアルバムである。