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35. これぞジョージの真骨頂『ALL THINGS MUST PASS』(1970)

さて、前回まででビートルズの軌跡をざっと振り返ってきたが、解散後もいち早く行動を開始したのが、我らが?ジョージ、ハリスンである。ビートルズ時代に書き溜めていたが、ビートルズらしくないという理由で却下されたものもあったのであろう、であればソロで、と出したアルバムがこの『All Things Must Pass』(1970)である。

まあ、とにかく、かっこいい。ギタリストとしてのジョージの魅力満載のアルバムである。そう、ジョージはあくまでギタリストであった。今改めて聞くとなんとなくサンタナっぽいなと言うところもあるが反対で、サンタナこそがジョージっぽいのである。そしてボーカルもいくつか取っているが、それもまたいい。ビートルズ時代はポールとジョンの陰に隠れた存在であったが、ソロになったからこそ(というか前にも述べたように、ビートルズ在籍時にすでにジョージはソロアルバムを出してはいたが)みんな、「あっ、この手のギターラインやメロディーラインはジョージだったのね」と思ったのであろう。とにかくそのぐらいジョージのギターラインとメロディーライン、さらにはWahペダルなどを使ったそのサウンド(実際に「wah-wah」というタイトルの曲がこのアルバムには収録されている)は魅力的である。

と、このアルバム、いわゆるビートルズファンではなくても音楽ファンであれば必聴の一枚でしょう。とにかくお薦めです(特に最新版のCDはいわゆるボーナストラックも豪華です)。ジョージのような人がいたからこそビートルズは単なるポップバンドではなかったことが確認できますし、またジョージのような人がいたからこそ、あの解散は、やはり発展的な解散だったのだな、ということが理解できます。

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