「残されたものの言い分」
今日も今日とて今日が始まった。
どんよりとした曇り空が広がり、カラスが鳴き、
犬も鳴き、風の音は、いつもより強く感じられる。
祭りの後、
道路に残るのは、木屑と煙草の吸殻と、様々なゴミたち。
盛り上がりを見せてくれたものたちは、あっという間に過ぎていく。
束の間の出来事のように、目の前をすぅーっと横切っていく。
残されたものは、
地車の道路に擦り付けられた木屑、一服と称して吸われた後の吸殻、
飲んだ後、食べた後のゴミたち。
躊躇いがちな後片付け、じっと黙ったまんま待っているゴミたち。
賑やかだった日々、楽しかった日々は、あっという間なのに、
残されたものたちは、此処彼処に、名残惜しそうに残されている。
祭りを心待ちにしていた人人、何ヶ月も前から準備をしていた人人、
それらの気持ちが長く続けば続くほど、幸せが長く続くのだろう。
あっと言うまでは無くなるのだろう。
後片付けも少しは楽しくなるのだろう。
残されたものたちも、その方が幸せになれるのだろう。
紅葉と共に、高揚した気持ちを、持ち続けたいとも思えた。
残されたものたちの、代表として。
小匙一杯分、幸せを感じたい。
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