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【目指せソムリエ#26】太陽が降り注ぐ、南部イタリア
はじめに
プレソムリエの皆さん、ボンジョルノ〜!今回は南部イタリアについて掘り下げていきます♪ あっという間に6月も終わりに近づいてきて、ラストスパートに差し掛かってきましたね。こちらのnoteももう少し更新頻度を上げたいところなのですが、なかなか追いつかず申し訳ないです・・・(><)主要国だけでも終えられるように頑張ります!皆さんも一緒に頑張りましょう!!7月は極力プライベートな予定入れちゃだめですよ!!!追い込み!!!
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南イタリアといえば、太陽が燦々と降り注ぎ、なんだか陽気な人が多いイメージ!
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ちなみに私は学生の頃に神戸でシェアハウスに住んでいたのですが、その時にフランス系のイタリア人と長く暮らしていました。彼の両親はそれぞれサルデーニャ島とシチリア島の出身らしく「どちらもイタリアで最もマフィアの多い州」と聞きました。本当かな〜〜と思って調べてみたら実話をもとにした映画もあるようなので見てみたい!
南部イタリアは北部・中部に比べて高級ワインはそこまで多くありません。カンパーニア州とプーリア州に特に注力して覚えていきましょう!
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Campania カンパーニア州
カンパーニア州はナポリを中心とする南イタリアの地域で、美しいアマルフィ海岸やカプリ島などを擁しています。
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カンパーニア州は古代から栄えたギリシャの植民地であり、特にナポリは重要な都市でした。
古代ローマ時代には「Campania Felix カンパーニア・フェリックス(幸運なるカンパーニア)」と称えられていました。現在は人口が多く、ロンバルディア州に次いで2番目に大きな州です。
州都ナポリの景観は観光名所としても有名で「ナポリを見てから死ね」と言われるほど!また、アマルフィ海岸、ソッレント半島、カプリ島、青の洞窟、イスキア島、ヴェスヴィウス火山などの名所があります。
カンパーニア州は古代からワインの生産地として評価されており、特にファレルヌムはその中でも偉大なものとされてきました。
州内は火山性土壌が多く、ヴェスヴィウス火山やロッカモンフィーナなどの火山も見られます。
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カンパーニア州のブドウ品種
カンパーニア州のワイン生産は赤ワインと白ワインがほぼ半々ずつです。
白ブドウのグレーコはイタリア南部の重要な品種で、特にカンパーニア州で広く栽培されています。コーダ・ディ・ヴォルペはイタリア語で狐のしっぽを意味していて、房が長く狐のしっぽに似ているのでこの名が付いたそうです。
アリアニコはイタリア南部、特にカンパーニア州、バジリカータ州で栽培されている重要な黒ブドウです。ピエディロッソはカンパーニア州だけで栽培されています。
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カンパーニア州の郷土料理・チーズ
日本でも人気のあるピッツァ、マルゲリータはカンパーニアの州都、ナポリが発祥です!また、ペペロンチーノやプッタネスカ(アンチョビ、ケッパー、オリーヴをトマトソースで和えたスパゲッティ)などのパスタ料理もこの地域の名産です。
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カンパーニア州のD.O.C.G.ワイン
カンパーニア州には4つのD.O.C.G.ワインがあります。
カンパーニア州を代表するタウラージは、アリアニコ品種の厳格な赤ワインで、酸とタンニンがしっかりしており、スパイスを感じさせる味わいが特徴です。グレーコ・ディ・トゥーフォは凝縮した果実味と強い酸を持ち、白だけでなくスパークリングも認められています。
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Puglia プーリア州
プーリア州はイタリアのかかとの部分に位置し、美しいアドリア海とイオニア海に面しています。
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プーリア州は830kmにも及ぶ長い海岸線を持ち、南北に細長く伸びています。イタリアで最も東に位置する州です。かつてはギリシャの一部として栄えた「マグナ・グラエキア(古代ギリシア人が植民した南イタリアおよびシチリア島一帯を指す名前)」の一部でした。
プーリア州のブドウ品種
プーリア州のワイン生産は、赤ワインと白ワインがほぼ半々ずつです。
ボンビーノ・ビアンコとヴェルデーカは、プーリア州で昔から栽培されている白ブドウです。
黒ブドウのプリミティーヴォは、アルコール度数が高く、濃厚な果実味が特徴で、カリフォルニアのジンファンデルと同じ品種という事でもよく知られています。他にもプーリア州にはネグロアマーロやネーロ・ディ・トロイアなど、多様な土着品種があります。
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プーリア州の郷土料理・チーズ
プーリア州ではオレッキエッテ・コン・チーメ・ディ・ラーパと呼ばれる、小さな耳の形をしたオレッキエッテパスタを菜の花に似た野菜で和えた料理や塩、ニンニク、ローズマリーだけのシンプルな仔羊のローストのアニェッロ・アル・フォルノが名産です。
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プーリア州のD.O.C.G.ワイン
プーリア州には4つのD.O.C.G.ワインがあります。
プーリア州のワインは、しっかりとした深みのある赤ワインが印象的ですが、珍しいロゼワインのD.O.C.G.カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロがあるのも特徴的です。
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Basilicata バジリカータ州
バジリカータ州は山岳地帯や美しい海岸線が広がります。その自然環境から美しい景観や自然保護区があり、アウトドア活動やハイキングが楽しめるそうです!
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バジリカータ州は古代には「ルカーニア」と呼ばれ、現在でもこの名前が使用されています。州内には有名なマテーラと呼ばれる石灰岩で作られた洞窟住居があり、世界遺産に登録されています。
山岳地帯が多く、州全体の半分近くを占めています。南側はカラブリアとの境界をなすボッリーノ山塊があり、最高峰は2,267mに達します。また、北西部にはかつての火山活動によるヴルトゥレ山があります。南イタリアは火山だらけ・・!
バジリカータ州のブドウ品種
バジリカータ州のワイン生産量はあまり多くありません。生産量の8割以上が赤ワインを占めています。
白ブドウのマルヴァジア・ビアンカ・ディ・バジリカータはバジリカータだけで栽培されているアロマティックなマルヴァジアです。
黒ブドウのアリアニコは、紀元前7~6世紀に古代ギリシャ人により持ち込まれた古い歴史を持つ品種です。
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バジリカータ州の郷土料理・チーズ
バジリカータ州では豚の内臓などを使ったサラミであるサラーメ・ペッツェンテやあらび粗挽きの豚肉のサラミであるソップレッサータなど、バジリカータ産の農産物や山岳地帯の素朴でありながら風味豊かな食材が楽しめます。これだけでワインが進みそう!
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バジリカータ州のD.O.C.G.ワイン
バジリカータ州のD.O.C.G.ワインはアリアニコ品種を使った1つのみです。2010年にD.O.C.からD.O.C.G.に昇格しました。
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Calabria カラブリア州
カラブリア州はイタリアのつま先に位置し、美しいティレニア海とイオニア海に囲まれています。
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カラブリア州は古代ギリシャ人によって「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と称されるほど、イオニア海沿いのブドウ畑が美しいことで知られていました。古代オリンピックの勝者にはカラブリアの「krimisa クリミサ」と呼ばれるワイン(現在はチーロと呼ばれるワインの祖先)が贈られるなど、ワインの歴史が古くから栄えていました。
カラブリア州のブドウ品種
カラブリア州はワイン生産のうち、赤ワインが8割近くを占めています。
カラブリア州では多くの固有品種が栽培されており、白ブドウのグレーコ・ビアンコや黒ブドウのガリオッポがあります。
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カラブリア州の郷土料理・チーズ
カラブリア料理はシンプルで自然な味わいが特徴で、新鮮な魚介類や野菜を使った料理が人気です。
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また、オリーブオイルの生産量は国内でプーリアに次ぎ2番目に多く、柑橘類の栽培も盛んで特にベルガモットが有名です。他にもトウガラシの入ったサラミの'Nduja ンドゥイヤという食品があるのですが、これを知っていたらきっとしりとり大会で優勝出来ると思います。
カラブリア州のD.O.C.G.ワイン
カラブリア州にはD.O.C.G.ワインがありません。カラブリアで最も有名な呼称は、前述したCirò チーロで、赤・ロゼ・白ワインが認められています。
Sicilia シチリア州
シチリア州は地中海最大の島であり、豊かな歴史と文化、美しい自然が魅力です。パレルモやシラクーザ、トラパニなどの美しい都市や古代遺跡があります。
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シチリアはイタリア最南端に位置し、イタリア最大の州であり、地中海最大の島です。シチリア島にはエオリエ諸島、エガディ諸島、ペラジエ諸島、ウスティカ島、バンテッレリア島などの諸島も含まれています。
一部の地域はチュニジアの首都チュニスよりも南に位置し、アフリカに近い環境を持ちます。島の象徴は北東部で今も活発に活動するエトナ火山で、今でも活発に噴火を続けています。
南西部ではアフリカの影響を受け、非常に暑く、サハラ砂漠からの風である「シロッコ」が吹きます。古代ローマ時代には穀物の栽培が盛んで、「ローマの穀物庫」として知られていました。
また、シチリアではマルサラという酒精強化ワインが西端で生産されています。
シチリア島の南に位置するパンテッレリア島は火山土壌の真っ黒な島で、「地中海の黒い真珠」と称されています。
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地中海性気候ですが、旱魃は深刻な問題となっています。
シチリア州のブドウ品種
シチリア州はワイン生産のうち、白ワインが7割近くを占めています。
最も栽培されている白ブドウはカタラットで、いくつかの派生品種も存在します。
また、黒ブドウでは力強い赤ワインを生むネーロ・ダヴォラやエトナの代表的品種で、色は薄めで酸とタンニンが強いネレッロ・マスカレーゼが代表的品種でとして使用されています。
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シチリア州の郷土料理・チーズ
シチリア料理は多様で、地中海の影響を受けた魚介類や野菜を使った料理が特徴で、トマト、ナスなどの野菜の煮込み料理のカポナータやクスクスに魚介のソースをかけたクスクス・ディ・ペッシェなどが知られています。
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シチリア州のD.O.C.G.ワイン
シチリア州のD.O.C.G.ワインは1つのみです。ネーロ・ダーヴォラを使用した赤ワインが認められています。
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Sardegna サルディーニャ州
サルディーニャ州は地中海の第2の大きな島であり、美しい海岸線と山岳地帯が広がっています。
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サルディーニャ州はイタリアの面積第3位の州であり、シチリア州とピエモンテ州に次ぐ広さを持ちます。北側にはコルシカ島が位置しています。また、サルディーニャ州ではイタリア語とは異なる言語が話されています。
サルデーニャ語が主要な言語であり、北部ではコルシカ語、北西部ではカタローニア語も使われています。
この州はコルクの産地としても知られています。
サルディーニャ州のすべての県でワインが生産されていますが、その生産量はシチリア州の1/9程度に過ぎません。
サルディーニャのブドウ品種
サルデーニャ州のワイン生産は赤ワインと白ワインがほぼ半々ずつです。
サルデーニャ島はフランス領のコルシカ島のすぐ南で、共通する品種がしばしば見られます。
ナスコは歴史が古いサルデーニャ州の白ブドウで、麝香を感じさせるアロマティックな品種です。黒ブドウでは果実味豊かで、かすかにスパイシーな赤ワインを生むカンノナウがサルデーニャ州で最も多く栽培されています。
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サルディーニャ州の郷土料理・チーズ
地中海の影響を受けた魚介類や海産物を中心にした料理が特徴です。ボッタルガは日本で言うカラスミのことで、ボラの卵巣を干したものなのですが、日本に比べて安価で手に入る嬉しい食品です!羊乳で作られたフィオーレ・サルドはサルデーニャの花という意味を持つチーズです。
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サルディーニャ州のD.O.C.G.ワイン
サルディーニャ州のD.O.C.G.ワインは1つで、ヴェルメンティーノを使用し、スパークリングワインと白ワインが作られています。また、辛口のみならず、甘口ワインも生産が認められています。
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おわりに
ようやくイタリアは終了です!!イタリアはフランスより範囲が狭いですが、フランスよりも得点しやすい範囲です。D.O.C.G.は全て覚えましょう!
プルールでは南部イタリアをはじめ、世界各国のワインを取り扱っています。
オンラインショップにはほんの一部のみの掲載なので、ワインをご希望の方はお気軽にこちらまでご相談ください☆
また、よく見直しをしているつもりなのですが、noteの間違いに気がついた方はこっそり教えて頂けるととても助かりますm(_ _)m