ずっと秋がいい。
金木犀の花はあっという間に茶色になっていました。一番好きな季節は遅くにやってきて早々に去ってしまいます。僕はここに居たいのです。
ずっと秋がいいのです。
羽毛布団は出したくないのです。こたつ虫になってしまうのです。冬は音が吸収されてしまいます。道を歩くと耳を切り落とされてしまいます。末端が真っ赤になるのです。緊張感すら感じる静かな白に慄くのです。
嗚呼、いやだなあ。寂しくなってしまいます。ずっと苦しいのです。手を伸ばしたくないのに、貴方の暖かな掌を求めてしまうのでしょうか?今夜は熱い湯船に浸かりましょう。
ずっと秋でいいのです。
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