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FD研修で講師を務めてきた話

全国の大学には、FD委員会と呼ばれる組織が設置されています。

FDとは、ファカルティ・デベロップメント(Faculty Development)の略称で、簡単に言えば「大学の授業をもっと良くしていこうぜ作戦」のことです。各大学、FD委員会が旗振り役となって、さまざまな取り組みを行っています。

教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称。その意味するところは極めて広範にわたるが、具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などを挙げることができる。

中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像」答申(平成17年1月)

西本が初年次教育プロジェクトの一員として非常勤講師を務めている大学でも、年に複数回、全学でのFD研修が開かれています。専任教員が対象なので参加したことはなかったのですが、なんと今回、講師としてお招きいただきました…!

2017年から8年間に渡って初年次教育科目の授業を担当をしてきたので、そこでどんな工夫をしているか、現場での実践を話してほしい、とのことでした。

早く専門的な学びに触れたいと考えている学生たちに、初年次教育をはじめとした共通教育に対するモチベーションを持ってもらうのは至難の業です。また、西本が担当している授業はグループワーク中心の構成なので、そこに苦手意識を持つ学生も多く存在します。

そこで以下のような構成で普段の授業実践を言語化・体系化して、ひとつのプレゼンテーションにまとめました。

【アーギュメント】
心理的安全性を高めることが、1回生の初年次教育に対する主体性・積極性を向上させる

【問い】
そのための学習環境をどうデザインするか?

【手法】
山内祐平『学習環境のイノベーション』や、安斎勇樹『問いのデザインー創造的対話のファシリテーション』で提示されていた「学習環境を構成する4側面」を参照しながら、授業での取り組みを紹介

おおまかに話した内容を書き出すと
⚫︎ シラバス上の到達目標のつくりかた
⚫︎ ワークショップの基本構造に立脚した授業設計
⚫︎ 遊び心を持って没入できそうなテーマでの課題設定
⚫︎ 国内学生と留学生をつなぐ「やさしい日本語」の活用
⚫︎ SA(Student Assistant)の効果的な運用
⚫︎ 学生と一緒につくる教科書
⚫︎ ルーブリックを用いた評価の「見える化」
などなど。

大勢の大学の先生を前にすると圧倒されそうでしたが、何とかやりきれました。先生方にとって、実りある時間を提供できていたらいいなあ。

西本の探究テーマである「プレイフルな学びが生まれる学習環境デザイン」は、大学で授業をする中で徐々に解像度が高まり、言語化できるようになってきたものです。今までは教育活動に重点を置いてきたけど、これからは研究活動も積極的にやっていきたいですね。論文とか、学会発表とか。

貴重な機会をありがとうございました!

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