【ラボラジオ#11】ドラマワークを学んできた意味(由梨×たか)
ポッドキャスト「ラボラジオ」をSpotify、Youtubeで、毎週金曜日(たまに火曜日も)配信中。
【内容】6/29のドラマワーク勉強会について、講師の由梨さんにお話を伺いました。
みんなで創るソシオドラマ
実体験のドラマの中にある架空性と、架空のドラマの中にあるリアリティ
ドラマワークで外在化してみる
手法を持たないということ
なんでかわからんけどそうしてしまうコンステレーションの面白さ
個人的なことが社会的なことへ
【出演】岩橋由梨(ラボ共同代表)、島本たかこ(ラボ研究生)
ラジオ収録後のひとりごと(研究生たか)
今回のラジオを聴いていると、2年前の2022年春、初めて由梨さんとzoom越しに出会った時のことを思い出す。由梨さんはある講座の講師として、わたしはその講座の事務局として参加していた。
由梨さんは参加者の発言にゆっくりとうなずき、「そうなのですね」とゆっくりと返していた。変な表現だけど、わたしには、PC画面に映る由梨さんの頭の周りに半径30センチくらいの、触るとちょっとボヨンとした弾力がありそうな何かが取り巻いていて、その中は周囲より明らかに密度の濃い空気が充満しているように見えた。参加者の声はその何かの中でしばらく漂っていて、その言葉を由梨さんはしばらく感じて、それから「そうなのですね」と言う言葉が返ってくる。言葉としてはごくごく普通の相槌なんだけど、この感じはなんだろうととても印象的だった。
由梨さんがもっとたくさんの言葉を返す時も、その応答はとてもオーソドックスだった。参加者の言った言葉を繰り返しながら、こう感じたのですねと返す。正統派というか、ものすごくオーソドックスだと思った。にもかかわらず、由梨さんのやりとりには外から持ってきたスキルで応答している感じ(微妙な違和感)が、わたしの中に生じなかった。そのことに驚いた。すごい人が来たなと思った。
わたしがこんな風に感じたのは、今思えば、由梨さんが「手法を持たない」人だったからなのかもしれない。目の前の人に対して、”手法で応じる”のではなくて、手法を含めていろんなことを学んできた”今ここにいる自分”で応じる。だから由梨さんという存在が確かにここにいながら、相手が自ら進もうとしている方向を決して邪魔することがない。そのための修練を由梨さん自身が積んできているから。
そんな由梨さんのファシリテーションは、いつもとてもさりげない。由梨さんは”権威”を持とうとはしない。むしろ参加者と常にフラットな関係を結ぼうとする。身一つで勝負する。しかも、自分がやっていることを”説明”することもほとんどしない。それはつまり、参加者もまた、自分が参加している場の価値を、”権威”や”理屈”を頼りに判断することができないということでもある。参加者自身も、自分の嗅覚と感覚を信じるほかはない。
わたしがなぜ由梨さんを信じるかといえば、それは、由梨さんにじっくり真剣に話を聴いてもらった後に自分の身体が内側からほぐれて、懐かしい場所で大の字で寝そべっているような感覚になるから。そう思うと、人を信じるということは、相手を信じているようでいて、自分の体感を信じるということでもあるなぁと思う。
【ご案内】岩橋由梨のドラマワーク勉強会
参加者一人一人が今抱えている課題を外に取り出して、色んな角度から眺めてみたり、ドラマの中で試行錯誤したりしながら、みんなで楽しく探求していきます。今悩んでることがある人もない人も、ドラマワークが初めての人も、どなたでも大歓迎です。お気軽にご参加ください。
次回の日時:2024/6/29(土)13:30~16:30
会場:中目黒周辺施設
参加費:3,500円(ラボ会員 3,000円)