【一首一句 その三十八】さしも草 かくとだに

【本日の一首】
かくとだにえやはいぶきのさしもぐささしも知らじな燃ゆる思ひを(後拾遺集、恋一、613、藤原実方朝臣)

(鑑賞)
せめて、こんなに私が恋慕っているとだけでもあなたに言いたいのですが、言うことができません。伊吹山のさしも草ではないが、それほどまでとはご存知ないでしょう。火のように燃え上がる私の思いを(引用)。
さしもぐさとはよもぎの異名。
いぶき、さしも、もゆる、ひ、といったところに惜しげもなく同音異義語を使って作った技巧があり、かつ燃えるような想いの裏付けになっている。

【本日の一句】
さしも草知らぬゆらめく胸の内

すでに3月は過ぎていますが、胸の内が揺らめいている様子をさしも草は知る由もないという当たり前のことを読んでみました。
情報量が足りませんね。おそまつ。

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