【一首一句 その四十二】散りぬべき
【本日の一首】
散りぬべき花みるほどはすがの根のながきはる日もみじかかりけり(拾遺集、春、39、藤原清正)
(鑑賞)
まもなく散ってしまうであろう桜花を惜しみ見る間は、あの菅の根のように長い春の一日も実に短く感じたことだ(橋本不美男)。
根を伸ばし続けたこの長い一日も、散ってしまう一日の短さを思うと短いなんてものではない。
鍛錬し続けた日々も、全盛期の華やかな一時期を考えると、あっという間だと言わざるを得ない。
でも、桜は散っても根はどっしりと張って、翌年にはまた花が咲く。
だからいいじゃないかと思うのですがね。『俊頼髄脳』に載っていた一首でした。
【本日の一句】
桜散る未来の蕾思ひつつ
次世代のことを桜が考えて、蕾に思いを託して散っていった、という句を作ってみました。おそまつです。
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