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老化の原因はこれだ! - 私たちの寿命を左右する存在「テロメア」とは?~「Dr.ナグモの栄養外来ch」より


はじめに

私たちの身体は、その生命を維持するために50兆もの細胞で構成されています。これらの細胞は、成長、修復、そして再生を可能にするために、絶えず分裂を繰り返しています。そしてそこには私たちの寿命を左右する存在である「テロメア」と呼ばれるものがあるのですが、それは一体何なのでしょうか?今回はその「テロメア」について解説いたします。

こちらのがん専門医である南雲吉則先生(ナグモクリニック総院長)の動画では、今回の記事の内容についてより詳しく解説されています。こちらもぜひ、ご参照ください。

遺伝子DNAの役割

遺伝子DNAとは、私たちが誰であるかを決定する情報を持つ分子です。遺伝子は、私たちの身体の特徴から、疾患のリスクまで、あらゆる特性を決定します。細胞が分裂する際には、遺伝子DNAは正確にコピーされ、新たな細胞に情報が受け継がれます。これは、遺伝子の情報が世代を超えて受け継がれるための必須の過程です。

私たちにとって非常に重要な物質となる「遺伝子 DNA」

細胞分裂とテロメア

私たちの身体が成長するためには、細胞が増える必要があります。これを可能にするのが細胞分裂です。細胞が分裂すると、一つの細胞から二つの細胞が生成されます。これにより、細胞の数が指数関数的に増えていくのです。しかし、この無限の細胞分裂が制御されなければ、体の大きさは爆発的に増大してしまうでしょう。ではいったいその細胞分裂はどのように制御されているのでしょうか?

この制御に関わってくるのが、テロメアと呼ばれるものです。
テロメアは、遺伝子DNAの端部に位置する特別な領域で、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなるという性質を持っています。このテロメアの長さが細胞の寿命を決定するのです。

遺伝子DNAの端部にある構造体部分が「テロメア」

つまり、テロメアがなくなると、細胞は分裂を止め、最終的には死んでしまいます。これが細胞老化、または「セネセンス」と呼ばれる現象です。

老化とテロメア

テロメアが細胞のタイムキーパーとして機能する仕組みは非常に巧妙です。テロメアが遺伝子DNAの両端を保護し、細胞分裂時に重要な遺伝情報が失われるのを防いでいるのです。しかし、毎回の細胞分裂でテロメアは少しずつ短くなっていきます。そしてある一定の長さになると細胞は分裂を完全に停止、つまり細胞死を迎えるということになります。

テロメアが無くなった時、細胞も死を迎えることになる

このようなテロメアの短縮が、私たちの体が自然に年老いていく一因となっています。テロメアが短くなるにつれて、細胞は分裂を停止し、その機能を失い、最終的には死に至るのです。これこそがテロメアが寿命を左右すると言われる理由なのです。

さいごに

テロメアは私たちが老化する原因の1つであり、そして寿命を左右する存在なのだということがわかりました。ということは、もしかしたらテロメアの長さを制御することで、細胞の寿命を延ばし、老化を遅らせることができるかもしれません。そうしたテロメアに関するより詳しいお話は、また次回改めて解説したいと思います。

この動画では、今回紹介した内容についてより詳細な情報が解説されています。興味を持った方はぜひご覧ください。

南雲 吉則(なぐも よしのり)
ナグモクリニック総院長。乳腺外科の第一人者にしてがん専門医。1990年、医療法人社団ナグモ会ナグモクリニックを開設し、1994年には東京慈恵会医科大学より博士(医学)を取得。60歳以上の生き方が輝いている人として『第1回プラチナエイジ授賞式』プラチナエイジストを受賞。

「女性の大切なバストの美容と健康と機能を守る」をモットーに全国で乳癌手術、乳房再建術を行う。「一日一食」「ゴボウ茶」「水シャワー」などの独自の若返りダイエット健康法を展開し、ベストセラー、テレビ出演など多方面で活躍。がんから命を救う食事と生活の情報発信にも注力している。



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