出す場所が違う
女性の施設長に変わってから明らかにおかしなことが起こっている。
彼女はどこもおかしくなく正常なのだが、彼女に評価される側の男性陣たちの頭がおかしくなっている。
企業というのは上から評価されるというのが通常。それが自己評価と一致するとは限らないのが常なのだが、主任や課長の男性陣が「俺の給料をあげろ!」とか「俺の評価はもっと良いはずだ!納得がいかない!」と彼女に怒鳴り込んで来ている。
現場を目撃できれば、多分介入してしまうだろう。たいした介入はできないが「高齢者施設で爺ちゃんや婆ちゃんが居る。大声出すな。怒鳴れば何でも解決すると思うな。」くらいのことは言ったと思う。
しかし、全部、ボス本人と、隣の事業所の所長が私に話してくれたことなので「へえ、なんですかい、そりゃ。」と言うばかりが現状だ。
男性の施設長だったときには見受けられない現象だったのに、途端に怒鳴ったり、臍を曲げたり、泣きついたりする男性管理職続出。
ボスはとても聡明な人ではあるものの、図体がでかい中年男性たちに激しい感情をぶつけられれば動揺する。可哀そうな一週間だった。
話を聴いて「どう思う?」と訊かれれば「評価基準に乗っ取って行った評価は絶対に変えないで下さい。」と意見を言うしかない。
不思議なことに介護職や看護職には男性女性に関わらずこういった妙な行動に出る人がいない。何故だろう?ボスが男でも女でも関係ない。
誰だって良い評価を貰って給料やボーナスを沢山貰いたいって気持ちにかわりはないが、なんだろな、怒鳴って自分は優れてるぞ!と言うほどの自己顕示欲は我々にはないようだ。
隣の事業所の所長さんも女性であり、彼女の場合はこの法人に勤めて長い人である。同じく福祉の仕事についているせいなのか、顔を真っ赤にしてどなっている経理の男性に言い放った言葉にはビックリした。
うちのボスが女性らしくひるんだのに比べ、彼女の場合は「お金の計算するのが仕事でしょ?出来てあたりまえ!何でそんなに自分を優れてると思うの?」と言い放った。
思わず、「あ。なるほど。」と言ってしまいそうになる。
世の中は変わって来ている。仲が良いからとか、女でしょ?優しくしてよ、でないと嫌われるよ!俺を特別視しろ!女のくせに!という概念では、ますます評価が下がるどころかクビになる。
クビと言えば・・・私は全然平気だったのだが、何かというとすぐ大声で怒鳴る医師が、先ごろクビになった。
怒鳴って得することというのは今の世の中皆無なのである。感情や甘えを出す場所と相手が違う。だからいつまでも仕事が組み立てられない。
怒鳴ったりへそを曲げたりする人ほど甘えているというわけなのだが、その甘え心を何とかプライベートで満たして欲しいものだと願う。(困るしうるさいから。)
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