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文京区白山に2019年3月にopenした新刊本屋です。 日常のなかで通過している時間に…

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文京区白山に2019年3月にopenした新刊本屋です。 日常のなかで通過している時間に、変化を感じられるようになればと思っています。読書・お菓子・コーヒーなど雑談しながら本を楽しんでください。WEB▶https://plateau-books.com

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    『HUMARIZINE』No.05 出版

    寺内玲と松岡大雅によるデザイン事務所「studio TRUE」が、毎年1冊制作するZINE『HUMARIZINE』。HUMARIZINEは「人間的である、ということへの追求から社会を拓く」という意味。 【発行者より】 4号(2024年5月)のテーマは「出版」。 studio TRUEはこの一年でリソグラフを導入したり、出版にまつわる授業をやることになったりと、偶然にも出版に関わる複数の機会が重なりました。 それらのことを踏まえ、6冊目にあたる今号で「出版」について改めて考えを掘り下げる必要があるのではないかと考えました。 京大でアーレント研究をし、単著を出版した哲学研究者の林大地、本にまつわるあれこれをしている3人組、アラマホシ書房と一緒に、出版について多角的に向き合うことができた一冊です。 ◼︎仕様 A4、114ページ ◼︎目次 Book1 studioTRUE「ヒューマライジンの出版活動を振り返る」 これまで5年をかけて出版してきた5冊の自費出版誌「HUMARIZINE」と、1年取り組んできた印刷産業のリサーチ「月刊ヒューマライジン」を振り返ることを通じて、「出版」を考える。 Book2 林大地「ルネの山下さんインタビュー」 京都大学生協書籍部「ルネ」の書店員・山下さんへの計3回のインタビューを通じて「出版」にまつわる課題を考える。「出版社-取次-書店」の三層構造が抱える問題とは何なのか。 Book3 アラマホシ書房「出版日記」 何者でもない3人が、出版についての日記を、出版するまでの日記です。 本誌の制作過程を知るための副音声としてもお楽しみいただけます。 BOOK4 studioTRUE × 林大地 ×アラマホシ書房「鼎談:出版という希望」 「HUMARIZINE No.05 出版」に参加した3組、計6人による鼎談。それぞれの小冊子について相互に議論し、「出版」とはなんだったのか話し合う。 ◼︎その他 限定数のためお早めにお求めください レターパックライト(青・郵便受投函)での発送 店舗営業日(金土日)に発送

    2,200円
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    『HUMARIZINE』No.04 TRUE

    寺内玲と松岡大雅によるデザイン事務所「studio TRUE」が、毎年1冊制作するZINE『HUMARIZINE』。HUMARIZINEは「人間的である、ということへの追求から社会を拓く」という意味。 【発行者より】 4号(2023年4月)のテーマは「TRUE」。 2019年からHUMARIZINEを続けてきたれいぽんと松岡大雅は、2023年1月に「studio TRUE」というデザイン事務所を設立した。 自分たちでデザインという仕事をしていくにあたって楽しみがある一方で、あらゆる不安や焦燥感を感じる日々である。 そんな現実に直面する中、人生の先輩である面々にインタビューさせていただき今私たちが何をすべきか、何を考えていくべきかを聞かせてもらった。 インタビューにはれいぽん・松岡大雅だけでなく村松摩柊、佐野虎太郎、かねだゆりあにも同行してもらい、studio TRUEひいてはHUMARIZINEが目指している共同体をつくることを共に考えながら制作に加わってもらった。 ◼︎仕様 A4、82ページ ◼︎目次 ・はじめに ・対談|studio TRUE始動 ・インタビュー|まつざき淑子 市民活動と議員を掛けるなかでつくる社会 ・インタビュー|真鶴出版 來住友美・川口瞬 試行錯誤しながらふたりで生活し、仕事すること ・インタビュー|VUILD 秋吉浩気ー「独立」をデザインする ・インタビュー|永井玲衣ー絶望する社会からやってくる問いと共に生きる ・対談|おわりに ◼︎その他 限定数のためお早めにお求めください レターパックライト(青・郵便受投函)での発送 店舗営業日(金土日)に発送

    2,200円
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    大竹央祐+平田悠『AlT』

    写真家・大竹央祐と、編集者・平田悠による建築メディア。 毎号1人の建築家/一つの空間を取り上げ、紹介する。 空間は、床や壁、そしてそこに置かれた家具や文房具の輪郭線によって形づくられる。 立ち上がった建築の形が振る舞いに影響を与えるように、振る舞いもまた空間の在り方に作用する。 同様に、取り上げる空間に合わせてメディアの形式を変え、メディアの形式が写真やテキストに影響していく。 建築の形ではなく、そこに立ち現れる場を、写真や文章を通して捉えてみる試みだ。 創刊号で取り上げたのは、設計事務所OSTRによる「本庄西の現場」。 日々移り変わる「現場」の今を、新聞紙に転写した。 限定数のためお早めにお求めください。 ◼︎仕様 ブランケット判(545mm × 406mm)20ページ ◼︎目次 太田翔(OSTR)「本庄西の現場」 岡絵理子 「本庄の深い皺」 舩橋耕太郎(コムウト)「たまにやる運動」 板坂留五(RUI Architects)「居心地の良さについて」 山口陽登(YAP)「本庄西の現場はどこまで膨らむのか」 武井良祐(OSTR)「都市に開けた「孔」と明るい「奥」」 太田翔(OSTR)「本庄西の現場の続き」 ◼︎その他 レターパックライト(青・郵便受投函)での発送 
店舗営業日(金土日)に発送

    1,500円
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    『HUMARIZINE』No.05 出版

    寺内玲と松岡大雅によるデザイン事務所「studio TRUE」が、毎年1冊制作するZINE『HUMARIZINE』。HUMARIZINEは「人間的である、ということへの追求から社会を拓く」という意味。 【発行者より】 4号(2024年5月)のテーマは「出版」。 studio TRUEはこの一年でリソグラフを導入したり、出版にまつわる授業をやることになったりと、偶然にも出版に関わる複数の機会が重なりました。 それらのことを踏まえ、6冊目にあたる今号で「出版」について改めて考えを掘り下げる必要があるのではないかと考えました。 京大でアーレント研究をし、単著を出版した哲学研究者の林大地、本にまつわるあれこれをしている3人組、アラマホシ書房と一緒に、出版について多角的に向き合うことができた一冊です。 ◼︎仕様 A4、114ページ ◼︎目次 Book1 studioTRUE「ヒューマライジンの出版活動を振り返る」 これまで5年をかけて出版してきた5冊の自費出版誌「HUMARIZINE」と、1年取り組んできた印刷産業のリサーチ「月刊ヒューマライジン」を振り返ることを通じて、「出版」を考える。 Book2 林大地「ルネの山下さんインタビュー」 京都大学生協書籍部「ルネ」の書店員・山下さんへの計3回のインタビューを通じて「出版」にまつわる課題を考える。「出版社-取次-書店」の三層構造が抱える問題とは何なのか。 Book3 アラマホシ書房「出版日記」 何者でもない3人が、出版についての日記を、出版するまでの日記です。 本誌の制作過程を知るための副音声としてもお楽しみいただけます。 BOOK4 studioTRUE × 林大地 ×アラマホシ書房「鼎談:出版という希望」 「HUMARIZINE No.05 出版」に参加した3組、計6人による鼎談。それぞれの小冊子について相互に議論し、「出版」とはなんだったのか話し合う。 ◼︎その他 限定数のためお早めにお求めください レターパックライト(青・郵便受投函)での発送 店舗営業日(金土日)に発送

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    『HUMARIZINE』No.04 TRUE

    寺内玲と松岡大雅によるデザイン事務所「studio TRUE」が、毎年1冊制作するZINE『HUMARIZINE』。HUMARIZINEは「人間的である、ということへの追求から社会を拓く」という意味。 【発行者より】 4号(2023年4月)のテーマは「TRUE」。 2019年からHUMARIZINEを続けてきたれいぽんと松岡大雅は、2023年1月に「studio TRUE」というデザイン事務所を設立した。 自分たちでデザインという仕事をしていくにあたって楽しみがある一方で、あらゆる不安や焦燥感を感じる日々である。 そんな現実に直面する中、人生の先輩である面々にインタビューさせていただき今私たちが何をすべきか、何を考えていくべきかを聞かせてもらった。 インタビューにはれいぽん・松岡大雅だけでなく村松摩柊、佐野虎太郎、かねだゆりあにも同行してもらい、studio TRUEひいてはHUMARIZINEが目指している共同体をつくることを共に考えながら制作に加わってもらった。 ◼︎仕様 A4、82ページ ◼︎目次 ・はじめに ・対談|studio TRUE始動 ・インタビュー|まつざき淑子 市民活動と議員を掛けるなかでつくる社会 ・インタビュー|真鶴出版 來住友美・川口瞬 試行錯誤しながらふたりで生活し、仕事すること ・インタビュー|VUILD 秋吉浩気ー「独立」をデザインする ・インタビュー|永井玲衣ー絶望する社会からやってくる問いと共に生きる ・対談|おわりに ◼︎その他 限定数のためお早めにお求めください レターパックライト(青・郵便受投函)での発送 店舗営業日(金土日)に発送

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    大竹央祐+平田悠『AlT』

    写真家・大竹央祐と、編集者・平田悠による建築メディア。 毎号1人の建築家/一つの空間を取り上げ、紹介する。 空間は、床や壁、そしてそこに置かれた家具や文房具の輪郭線によって形づくられる。 立ち上がった建築の形が振る舞いに影響を与えるように、振る舞いもまた空間の在り方に作用する。 同様に、取り上げる空間に合わせてメディアの形式を変え、メディアの形式が写真やテキストに影響していく。 建築の形ではなく、そこに立ち現れる場を、写真や文章を通して捉えてみる試みだ。 創刊号で取り上げたのは、設計事務所OSTRによる「本庄西の現場」。 日々移り変わる「現場」の今を、新聞紙に転写した。 限定数のためお早めにお求めください。 ◼︎仕様 ブランケット判(545mm × 406mm)20ページ ◼︎目次 太田翔(OSTR)「本庄西の現場」 岡絵理子 「本庄の深い皺」 舩橋耕太郎(コムウト)「たまにやる運動」 板坂留五(RUI Architects)「居心地の良さについて」 山口陽登(YAP)「本庄西の現場はどこまで膨らむのか」 武井良祐(OSTR)「都市に開けた「孔」と明るい「奥」」 太田翔(OSTR)「本庄西の現場の続き」 ◼︎その他 レターパックライト(青・郵便受投函)での発送 
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営業についてのお知らせ

平素はplateau booksをご愛顧いただき誠にありがとうございます。 新型コロナウィルス感染拡大抑制から、4月の営業は、本のみの販売にて 営業いたします。詳しい営業日については ▶今月の営業日をご確認ください。 営業体制についてまだまだ、思考中ですがご利用についてご配慮いただけますと幸いです。 ・密閉空間を防止するため、入口扉開口し、換気扇を常時可動し換気しております。 ・感染予防のためスタッフのマスク着用 ・飲食の販売停止(本のみ販売になります。) ・

    • 今週のBookReview

      plateau books今週のブックレビュー閲覧ランキングまとめです。webページのリニューアルしましたので、あわせて閲覧ください。plateau books HP ▷こちら  1位 スガダイロー 『ピアノ曲集 季節はただ流れて行く』 (VELVETSUN PRODUCTS、2018) 2位 大崎清夏 『新しい住みか』 (青土社、2018) 3位 今和次郎 『思い出の品の整理学』 (平凡社、2019) ・堀江敏幸 『戸惑う窓』 (中央公論新社、2019) ・細川亜衣 『朝

      • 福永信 『一一一一一』 (河出書房新社、2011)

        語るひとが語り、聞くひとが聞く。会話はそうして成り立つものですよ。語りが進むには、待ちながら聞き、相づちを打って応じることが必要でしょう。つまり、語る内容だけがあっても、円滑な会話はできないと言えませんか。しかし、相手の反応をみて、つい別のことを尋ね、気がつかないうちに、違う話題で盛り上がってしまうこともありますね。そして、たびたび、同じ話に戻ってくるのです。ひとりがずっと語りつづけていたって、思いも寄らない景色に遭遇するかもしれませんし。そのときまで、何度でも待ち、やりすご

        • 長谷川堯 『神殿か獄舎か』 (鹿島出版会、2007)

          建築によって、これまでと違う自分のからだに出会い、感覚のひろがりを経験することがあります。しかし、それと同時に、感じることや動きに制限が加わり、無理やり経験させられているとも言えます。だからこそ、「より少ない加害」となるべく、細やかにひとびとの声に耳を傾けます。そうして、公共性が捏造されることもあるのです。それとは正反対にあるのが、ひとを幽閉し、拘束する閉じた箱としての監獄です。垣間見える空と雲、かすかに聞こえる風の音。監獄を自覚して、自然を、自らの人としての身体を知ることが

        営業についてのお知らせ

          池内紀 『散歩本を散歩する』 (交通新聞社、2017)

          池内紀さんが「こちらがお伴で、ご主人さまについて歩いた」と言う、散歩の名人たちの、場所の記憶。誰かが歩き、記したその土地を、自分も歩いてみたいと思い、出かけてみます。すでに無いもの、見えなくなったもの、姿を変えながらも存在するもの、変わらず在りつづけるもの、さまざまでしょう。記された時は違えど、同じ景色を想像すると、いま見えているものの奥行きを感じます。そして、言葉で書かれたその土地に、自分の言葉が加わっていくのです。歩くこと、歩いた場所の記憶が重なることが、場所の地霊に成る

          池内紀 『散歩本を散歩する』 (交通新聞社、2017)

          編訳:甲斐義明 『写真の論理』 (月曜社、2017)

          写真を撮ると、意図していない物やひとの表情が写り込んできます。絵を描くときは、描こうとしている対象だけを描くことができますが、写真にはカメラの枠の中におさまっているものの一切が定着されます。もちろん、写すものを自分で並べて、写真を作ることもできるでしょう。いずれにせよ、写真は必ず何かを写しているのだから、一枚の写真を見たひとは、写っている対象を見つけてしまうのです。誰もがカメラを携えて、生産、複製されていく写真たち。写真を見る、とはどのような経験なのでしょうか。そこで立ち止ま

          編訳:甲斐義明 『写真の論理』 (月曜社、2017)

          レオ=レオニ 訳:谷川俊太郎 『はまべにはいしがいっぱい』 (好学社、2012)

          石をみつめていると、色や艶、形、そのさまざまな姿に夢中になります。ひとつひとつを丹念に眺め、並べたり積んだりして別のかたちをつくり、集めた中からお気に入りのものを見つけるかもしれません。何より、川や海にある石は、角が取れて丸くなり、すべすべとした手触りに、ついつい繰り返し拾い上げては握りしめてしまうでしょう。数えきれないほど無数にある石から、何を感じて、いま手にしているひとつを選んだのでしょうか。言葉にならない思いに、無機物である石が共感する。石は、ひとの手に、ずっと触れられ

          レオ=レオニ 訳:谷川俊太郎 『はまべにはいしがいっぱい』 (好学社、2012)

          レベッカ・ソルニット 訳:ハーン小路恭子 『説教したがる男たち』 (左右社、2018)

          男がみんなそうってわけではないと、一言で片付けようとしても、そうはいきません。それはただ傍観しているだけで、何も積極的に説明できてはいないのです。自信に満ちた「ミスター・インポータント氏」による、お説教にすぎないと言えるでしょう。権利が与えられない、信じてもらえない、夜を歩けない、名を持てない。片方にあって、もう片方にないことがあふれている状況に、居心地の良さを覚えている人がきっといるはずです。つねにすでに、抗拒不能のこころとからだを押し付けられているひとに、それでも抗拒不能

          レベッカ・ソルニット 訳:ハーン小路恭子 『説教したがる男たち』 (左右社、2018)

          アンドレア・ボッコ、ジャンフランコ・カヴァリア 編訳:多木陽介 『石造りのように柔軟な 北イタリア山村地帯の建築技術と生活の戦略』 (鹿島出版会、2015)

          古い集落では、土地に根ざした営みがあり、それが建物や町並みのかたちまで表出しています。いまの普段の暮らしとのその差に、かつてあったものへの郷愁にかられるでしょう。しかし、単に懐かしむだけのことなのでしょうか。自然に呼応した生活をする者にとって、建設者と農民とを区別する意味はありません。作物を育てることと、建物をつくり維持することは、生きるうえでどちらもなくてはならないことでした。生きるために変化することが必要だとすれば、いまは亡き暮らしから得る技術は、新しい生活様式へのきっか

          アンドレア・ボッコ、ジャンフランコ・カヴァリア 編訳:多木陽介 『石造りのように柔軟な 北イタリア山村地帯の建築技術と生活の戦略』 (鹿島出版会、2015)

          西江雅之 『顔! パプアニューギニアの祭り』 (左右社、2018)

          豊かな色彩と模様で全身を飾った姿が写っています。自然由来だったり、人工的に作られたものだったり、さまざまな装飾が施されながら、一層きわだちを見せるのが顔です。色や模様が意味を持った象徴的なものであるように、顔も記号として何かを訴えかけてくるからかもしれません。顔がなければ顔を描いて命を宿らせ、仮面を被れば自分ではない者に化けることができます。顔を持つ者が、自分の身体のまま別な者に成るとき、表面に重ねたはずの化粧や飾りから外に離脱して、自らを睨みかえしている、その眼に、何が映る

          西江雅之 『顔! パプアニューギニアの祭り』 (左右社、2018)

          小嶋一浩 『小さな矢印の群れ 「ミース・モデル」を超えて』 (TOTO出版、2013)

          通貨がなければ、いちいち都合の良い相手を探して、物々交換をしなければなりません。小嶋一浩さんは、「もともとは物々交換に代わる〈小さな矢印〉のための道具として生み出された」通貨が、〈大きな矢印〉として世界を動かしてしまっている、と言います。大きな矢印から小さな矢印へ。大きな矢印に従わせるのではなく、小さな矢印として自由に振る舞える建築計画を考えるとします。そのとき、解析された自然のエネルギーが上手く活用されるように、人も建築の中で飼い慣らされていくと言えるのでしょうか。 ht

          小嶋一浩 『小さな矢印の群れ 「ミース・モデル」を超えて』 (TOTO出版、2013)

          ティリー・ウォルデン 訳:有澤真庭 『スピン』 (河出書房新社、2018)

          家、近所、学校、習い事、塾、インターネット…幼くても沢山の自分を生きています。むしろ、大人よりも様々なひとや環境に触れているかもしれません。嫌でもやめられないことも、好きだったけど断念せざるを得なくなったことも、日常に積み重なっていきます。他人からの評価や怯えと、自分の身体の変化や傷。ふるえるようにそれらの間を何度も、実際に、そして頭の中で、行き来しながら、自らの輪郭がぼんやりと出来てくるのかもしれません。下描きを繰り返して理想の線が見え始めると、消しても残る痕跡もまた、存在

          ティリー・ウォルデン 訳:有澤真庭 『スピン』 (河出書房新社、2018)

          フェリックス・ガタリ 訳:杉村昌昭 『三つのエコロジー』 (平凡社、2008)

          いきものとその周りの環境とは、互いに影響を及ぼし合っています。だから、環境を考慮したふるまいを選択したり、環境の変化を予測したり、そのための学びが生じてきました。ただし、ここで違和感があるのは、いきものも環境も、はっきりと境目があり、自立した存在のように感じられることです。言葉、記号、イメージ。わたしの感情や行動でさえ、すでに集団で共有しているもので表現されます。個であり集団であり、言葉や制度、機械と共に変容しながらたゆたう生態系。横断する学びとしてのエコロジーにおいて、自ら

          フェリックス・ガタリ 訳:杉村昌昭 『三つのエコロジー』 (平凡社、2008)

          水野佳子 『きれいに縫うための基礎の基礎』 (文化出版局、2009)

          何をつくるにも、きれいにつくることは、とても手間がかかり、大変なことに感じませんか。自分に合った道具を用意すること、素材に応じた加工の仕方を選ぶことが、まずは必要だろうかと考えます。しかし、使い易い道具だって、素材の違いによる工夫だって、始めてみなければ分かりません。試してみて、どうも上手くいかない、その躓きが何度だってあるはずです。そんなときに、基礎の基礎が、手本として活きてきます。すでに出来上がったものに触れて、それがどのようにつくられたのかを想像すると、誰でも基礎の繰り

          水野佳子 『きれいに縫うための基礎の基礎』 (文化出版局、2009)

          國分功一郎 『暇と退屈の倫理学 増補新板』 (太田出版、2015)

          衣食住には困らなくなって、ある程度は豊かに満ち足りた生活ができるようになりました。毎日かかさず練習をして、自分でも分かるほどみるみる上達していたのに、ある日からそんな変化が感じられなくなりました。それでも変わらず、いまも何かに取り組んでいることでしょう。どこかに退屈さを抱えつつ。でも、そんなふうにまっ平らで、行先が見えないところに立っていても、すぐに道を尋ねたり、決めたりしなくても良いのかもしれません。受け入れること、続けること、待つこと。日常が肯定してくれて、自由に近づくの

          國分功一郎 『暇と退屈の倫理学 増補新板』 (太田出版、2015)

          ピョートル・ワイリ、アレクサンドル・ゲニス 訳:沼野充義、北川和美、守屋愛 『亡命ロシア料理』 (未知谷、2014新装版)

          旅や仕事で異国の地に長く滞在していると、現地の食事に慣れてくるとともに、故郷の味が恋しくなることがあります。たとえ海外まで行かなくても、数日の間、外食がつづくと、何だか具合が悪くなるひともいると思います。繰り返し作っているいつもの料理は、たしかに平凡なものかもしれません。しかし、毎日同じ料理でも、きっとそのときの気分や体調、天候などに合わせて、気まぐれとも思える微妙な調整をしているはずです。馴染みの味があるから、他の味、異国の味を享受できるのでしょう。そこで、素直な食欲に再会

          ピョートル・ワイリ、アレクサンドル・ゲニス 訳:沼野充義、北川和美、守屋愛 『亡命ロシア料理』 (未知谷、2014新装版)