見出し画像

宝塚宙組「シャーロックホームズ」他(余談)

前回のお話。↓

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979674885&owner_id=988396

宝塚歌劇は兎にも角にも美しくなければならない。それが至上命題である。
演出家がよしんば「美しいでしょ?」と提示したものであっても、美しさが伝わらなければ意味はない。

「シャーロックホームズ」にせよ「Delicieux 」にせよ、うーん、この🤔

さんざ批判はしたけれど ー 昨今は悪口と批判を近藤さんする向き多いが ー 生田と野口がやってみたのは良いこと。結果が伴わないだけで。

再三申し上げるとおり、俺は自称日本浪漫派。保田與重郎って読んだことありますか。
いわゆる大東亜戦争、正しくは十五年戦争であろうとも、そこに「美」を見いだすというね。
政治的あるいは理性的、リアルにはあんなもん最低だが。

いかがわしいオリンピックじゃ何じゃ、いろんなことはあるし間違いは常に正されなければならないが、この世はあるようにあって、そうしてそれは美しい。
宝塚とは、換骨奪胎しながらも、そんな「美」を表すものである。

ぶんちゃんがやった「On  The Fifth」は9・11のアレ。「誰がために鐘は鳴る」はスペイン内戦だし、タカハナのサヨナラ公演もまた。

「いろんなことはあるけれど、つまりこの世は美しい」

そう訴求したのが小林一三氏なのだ。阪急グループを作ったというより、むしろ。いや、それを通じて。
※だから人間を描け、とそう何度も。。。人間もまた美しいからだ。

俺はこれこそ宝塚スピリットだと思う。音楽学校の厳しさや何かは、この前に於いては、手段に過ぎない。あくまでも美を表現するための。

「小林一三先生の原点に帰れ」と人は言う。果たして諸人は彼の原点に帰っておるのか。
宝塚宙組『シャーロックホームズ』他を観て、俺はすこぶる疑問に思った。

今の若い演出家を非難しているのではない。批判はしたが。
それは作家の技術に留まらず、あるいは演出技術というより、その精神。世の中に媚び過ぎてはいないか。君が本当に訴求したいことは何か。
君の心の底に澱んでいるものは何か。生田大和氏、野口幸作氏のそれは?
はっきり言って、これらを「美」で表すのが宝塚である。

もしかしてそれは「怒り」かも知れない。うむ、もしそうなら素晴らしい。

俺は昨今の若者(ヤクザ的には若い者)を素晴らしいと思う。俺が20歳か30代の頃は、もっとずーっと馬鹿だったもんね。ほとんどヨダレ垂らして。
相対的に、君たちは秀逸である。しっかりしておる。だからこそ残念なのだ。

ある日、外れ馬券が風に舞っていた。ジェニュインの岡部幸雄は「いやー、馬券に気を取られて馬がやる気を無くしましてね」と言った。
アジすか! そんなんめっちゃいかがわしいじゃないスか!

例えば物語はここから始まるのだが・・・風に舞う外れ馬券って、美しくなあい?
◆オスカー取った映画『アメリカン・ビューティ』より

https://youtu.be/gHxi-HSgNPc

ええ、これだって頑張れば宝塚歌劇にできますよ。

久しぶりに宙組さんを観たが、生徒方は変わらず安定感抜群。問題は、もっぱら演出家よね。

なので美しい花田裕之さん。これは80年代の動画。
俺の一級上だが段違い平行棒。

https://youtu.be/GUNyBdfQXGc

と、いうね。

いいなと思ったら応援しよう!