シャイン

2011年3月11日、彼女は米国から日本へ向かっていた。太平洋上にあった時、東日本大震災が発生。機は成田に降りられず、7時間遅れて急遽横田基地に着陸。
来日を諦め、あるいは帰国を余儀なくされるアーティストたち。スタッフは彼女にも帰国を勧めるが、彼女は断固として拒否。
「私は日本のみんなに笑顔を届けるために来た。こんな時だからこそやるんだ」

ジャパンツアーを敢行。ただし電力不足を懸念し照明を極限まで落とし、来られなかった人への払い戻しは当然。
各地会場に募金箱を置き、自ら前面に立つ。

その人の名は、シンディー・ローパー。

彼女の日本への思いは若かりし頃にあるとか。
売れずにNYでぶらぶらしていた時「そんなんじゃ駄目よ。うちに来なさい」と働かせてくれたのが、当地で日本食レストランを経営していた日本人・鈴木サクエさん。鈴木さんはシンディーのみならず、若く貧しいアーティストたちに「いつかきっと日のあたる時が来る。今は辛抱しなさい」と励まし続けた。

日のあたる場所へ出ることができたシンディーは、だから震災ただ中の日本で、これを歌ったのかもしれない。
◆シャイン
https://youtu.be/vSWXYG8S2rU

我々は今、豪雨災害やコロナ禍のただ中にある。残念ながらコロナ感染者は、もっともっと増えていくだろう。
自分はそこで「頑張れニッポン」だの「絆」だの言わない。往時も今もそんなものが嘘っぱちであることは、クズどもの振る舞いで明らかだから。

しかし、鈴木サクエさんとシンディーローパーの邂逅、継がれる思いが世の中には確かにある。これは信じて良いと思う。

◆2011年3月22日、大阪。シャイン〜トゥルーカラーズ〜権力を我らに〜トゥルーカラーズ
https://youtu.be/YS7vtjaPEaw

Shine I'll stand by you
Don't try push me away
Cause I'm just gonna stay
Shine, You can shine, I won't deny you
And don't be afraid, it'll all be OK