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2020年に読んで面白かった本 8冊。

2020年に読んだ本は約60冊。だいたい週1冊くらいのペースで読みました。この中から面白かった本8冊を【実用書】【教養】【アート】のカテゴリに分けてピックアップしてみました。

【実用書】 2冊

書くのがしんどい / 竹村 俊助

編集者、株式会社WORDS代表取締役・竹村俊助さんのnote記事の書籍化。
”文章の書き方”の本は何冊も読んできたけれど、”根本的”な部分と”具体的”な部分がバランス良く解説されていてとてもわかりやすかったです。

例えば、個人的に特に反省したのは、タイトルのつけ方の部分。 ”多くの人が取材や執筆の間に得た知識や考えたことをタイトルに反映しがちだけど、読者はまだ入り口にすら立っていない” というのはやりがちだと感じたので、ちゃんとできてはいないものの心がけるようになりました。

テキストマイニング入門: ExcelとKH Coderでわかるデータ分析 / 末吉美喜

テキストマイニングのフリーソフトKH Coderについて、マーケティングなどの仕事でどうやって使うか?というところに特化して具体的に説明してくれている本。機能を網羅的には説明されていませんが、やりたいことがハマれば「まさにこれがやりたかった…!」と即使える参考書です。

KH Coderは公式のテキスト読みながら半年触っていたのですが、この本を早く知りたかった…と思える実用的な本でした。テキストマイニングをお試ししてみたいという方にオススメです。

【教養】 2冊

現代経済学の直観的方法 / 長沼伸一郎

タイトルのとおり、「直感的」に現代経済学を理解できる本。

研究所から想定外の本社配属になって、「なんで無理やり他の会社買収してまでも毎年成長を続けなければいけないんですか…?」というのが全然理解くらいの人間でしたが、わかりやすい書籍でした。

各章にわかりやすいまとめもあり、今後も参考書的に手元に置いておきたい本です。

若い読者に贈る美しい生物学講義 感動する生命のはなし / 更科 功

専門外だけど、概論は知っておきたい…と、社会人になってから生物の教科書的なものは何度か読むのをチャレンジしつつ、何度も挫折してきたのですが… こちらは読み物的な平易な書き方で読みやすく、生物の定義からES細胞・iPS細胞の解説まで、ざっくりと知ることができる本でした。

小中学校で学んだ知識から変わっているところもあり、「小学校で習った常識」のように思っていたことも更新していかないと変化していくなぁ…と感じた本です。

【アート】 4冊

20XX年の革命家になるには──スペキュラティヴ・デザインの授業 / 長谷川愛

スペキュラティヴ・デザインとは?というところから、長谷川愛さんの作品をはじめとした世界での作品事例、RCAでの講義内容、そして、スペキュラティヴ・デザインの実践方法まで。多角的に見ることができて、しかもとても理解しやすい言葉で書かれている良書でした。また、先が見えない今の時期こそ読むのに良い本だったとも感じました。

”革命にはどのような「理想の社会」を思い描くのかが重要である一方、誰かの理想は誰かの地獄かもしれないという状況下で、「「自分が弱者になっても良いと思える理想の社会」を考える練習をしておくことが、結果として自分のためになる日が来るかもしれません。」という視点ははっとしました。あと、なんらかの作品と出会ったときに、自分が「ディストピア的だ」と感じた時、それが「なぜ怖いと思うのか?」を考えるのが必要だというのも。

※ あわせて、昨年は スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること / アンソニー・ダン (著), フィオーナ・レイビー (著), 久保田 晃弘 (監修), 千葉 敏生 (翻訳) も読みました。

自分自身、「スペキュラティヴ・デザイン 」という概念を知っているかどうかでアートの見え方、物事の見え方が変わるという経験をしました。長谷川愛さんの書籍はこちらよりもかなり読みやすいので、そういった点でもおすすめです。

じゃない写真:現代アート化する写真表現 / 渡部さとる

「「記録」でもない、「決定的瞬間」でもない、「伝える道具」でもない」現代写真をどう見たらいいのか?のヒントになる本でした。写真が登場したときの絵画と同様、写真よりも情報量の多いメディアが登場するなかで、「それ、写真でなくてもいいんじゃない?」をどう克服しているのかを考える本だった。改めて写真って面白いなぁと思える本。

怖い絵 /  中野京子

2013年のベストセラーなので今更ですが。歴史が苦手な私にとって、「怖い絵」の背景である「怖い史実」を絵画を通じて観ていくことで、今”普通に”生活できていることが歴史的にみたら”普通”じゃない事を思い知らされるような本でした。特に、生まれてから感じていた”当たり前”が覆った2020年において、「自分で判断して動くことができる状態を絶対に手放したらいけない」ということを強く感じる書籍でした。

ミュージアムを知ろう 中高生からの美術館・博物館入門 / 横山 佐紀

中高生向けということでかなり読みやすく、美術館の歴史や役割など、エッセンスが濃縮して書かれていました。あと、展示の規制の話など、日本国内の事例はよく読むけど、こちらは海外の事例も書かれていたりするのも良かったです。


あと、デュシャンの入門書として書かれた「マルセル・デュシャンとは何か 」/ 平芳幸浩 や、構図の見方などについて書かれた「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」 / 秋田麻早子 なども面白かったです。

グレー

2020年は、仕事としてアートに関する記事を書き始めたこともあり、アート系の本を読む頻度が高くなりました。あと、図書館をよく使うようになったことで、新刊以外にも多く手をつけるようになりました。

振り返ってみると、大々的に宣伝されている「ビジネス書」って、思わず買ってしまうものの、あまり記憶に残らないモノですね…(買って後悔するものも多かったり…)

平積みや広告に惑わされず、2021年はもっと「読みたい本」に出会っていければいいなと思います。

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