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「いま、自分を誇りに思います」現地で出会った高校生たちが紡ぐ、あなたと私の未来
こんにちは、事務局長の小島です。
これまで20名の方から、276,000円のご支援をいただきました。
本当にありがとうございます。
今回は、6月からしばらくケニア出張に行った時に出会ったふたりの高校生のインタビューをみなさんにお伝えします。
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地域の未来を変える!正しい性の知識を伝えるピア・エデュケーター
地平線が見えそうなくらい広大な敷地に立つセカンダリースクール(日本の中学・高等学校に相当します)でインタビューに応じてくれたのは、この学校に通うふたりの高校生、ジャイルさんとブラックストーンさんでした。
ふたりは、昨年からPLASとパートナー団体ビアジェンコと協働で開始した「SRHR事業」で、ピア・エデュケーターとして活動しています。
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ピア・エデュケーターは、避妊具や緊急避妊薬の使い方や、リスクの高い場所を割ける大切さ、性暴力を受けてしまったときに取るべき行動、自分の身体を守るための相手とのコミュニケーションスキルなど、幅広く正しい性の知識を届ける、高校生リーダーたち。
「SRHR事業」では、21名のピアエデュケーターが活動し、この1年間で、194名の子どもたちに性教育を届けてきました。
でも、高校生になれば、勉強はもちろん、友達と遊んだり、やりたいこと・やらなければいけないことがたくさんあり、忙しい年代のはず。
「ピア・エデュケーターとして活動しようと思ったきっかけは何でしたか?」と聞くと、意外な答えが返ってきました。
「自分について、もっと知りたかった」
”ひとりで過ごしていると、学業や進路や友達関係に悩んでいました。そうした時間を過ごすよりも、SRHRプログラムに参加して、みんなで学んでいけたらいいなと思ったんです。そうして、自分について、知ることができたらいいなと”
”自分は、家族関係があまり良くなかったんです。あまり自分のことを気遣ってくれなかったり。
いま、家族と離れて暮らしてますが、家族関係についてあまり深く考えてしまわないように、惑わされないようにと、別のことに意識を向けたかった”
ふたりの言葉からは、悩みながら、今日よりも明日をもっと良く生きたいと願う、どこにでも出会えそうなティーンエージャーの横顔が見えました。
そんな「自分のために」と一歩を踏み出したふたりは、ピア・エデュケーターとして活動を続けるなかで、1つの変化が生まれたそうです。
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「いま、自分を誇りに思います」
それは、ピア・エデュケーターとして、新たな知識を学び、同世代の子どもたちに伝えていく役割を担うなかで生まれた、自分への誇りでした。
”早すぎる妊娠をしないために、HIV/エイズを防ぐためにできることがある。こうしたことを学べたことで、いま、私は自分を誇りに思っています。”
”僕も、たくさんのことを学びました。自分自身が、メディアになる。HIV/エイズなどの性感染症からあなた自身をどう守るか、伝えていけるんです。”
13歳で妊娠。ある女の子の未来を変えたピアエデュケーターの一言
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インタビューで、ブラックストーンが話してくれたあるエピソードが忘れられません。それは、知り合いの女の子が、13歳で妊娠してしまったときのこと。
将来に絶望する女の子に寄り添い、ブラックストーンさんは励まし続けました。
出産し、学校に戻った女の子を待っていたのは、周囲からの心無い言葉や偏見でした。「あいつは、ママだ」とからかわれ、学校を辞めようとしていた女の子に、彼はこう語りました。
「絶対に学校をあきらめないで」と。
一度は希望を失いかけていた女の子は、彼の言葉によって、今でも学校に通い、学び続けています。
親や先生ではない、ピア・エデュケーターが、一人の子どもの未来を変えた瞬間でした。
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優しさと、リーダーシップと
最後に、ふたりに将来の夢を聞いてみました。
「将来はリーダーになりたい」と語るジャイルさんは、政治家が夢。
他にも、道路工事員でしっかり稼ぎ、苦労して自分に教育を受けさせてくれたお父さんに、家を建ててあげることや、ファッションデザイナーにも興味があります。
ブラックストーンさんは、医師になって、たくさんの人を助けること。
そして、家族を支えることだそう。
ふたりとも、頼もしいリーダーシップのなかに、「誰かのために」と他者を思いやる優しさが共存していたことに心を動かされました。
地域の未来を外部からやってきた組織が一朝一夕に変えることはできません。
けれども、ふたりのような若い世代が伸びやかに育ち、やがて誰かの未来をそっと、確かな手ごたえで支えていく。
その輪が広がる環境づくりこそ、私たちができることなのだと実感しました。
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