2022/02月選 よくわからないからとりあえずキスをしている /評
よくわからないからとりあえずキスをしている /評
想像を掻き立てる作品はそう多くはない。改行詩なんてほとんど読まないよね。美しく美しく改行のタイミングよく、想いを込めて詩作りをしていたら、上出来で上品かもしれないけど、セックスやケンカはそういうものではないよね。この作品はそうではない。上品さはないのかもしれない。でもね、あたしら(今の35才前後の女性を想定してください)には、上品にすればするほどに遠のいてゆく感情があるんだよ?
相手を少しだけ不幸にしておくってどんなんだろう?わかんないけど、もしかしたら、女性はみんなセックスの後、こんな風におもうのかもしれない。損得で冷静に考えるとあたしらが損をしていて男性は気持ちよくなって、皿洗いも洗濯もやらないで、しまいには働かないでセックスをしている。不幸にしておきたい。あたしが居なくなったら泣いて欲しいなんて思うよね。
たぶん、カップルはみんなこうなっちゃうんだよね。可能性。彼氏が居てその彼氏が天才なんだとか、信じて、あたしは夜のバイトに行く。バイト先でおっさんに胸をツンツンされても笑ってるし、帰宅して彼氏にそういう報告はしないよね。そんな現実を彼に想像させたくはない。だからというわけではないけど、この作品みたいに、キスをとりあえずあたしもする。