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植物写真の撮り方
植物写真への意識
自然物を対象にした写真をよく撮影する自分ですが、メインは植物です。形態や生育する環境、表現力など写真にはさまざまな表現方法がありますが、僕が植物写真を撮るにあたって大事にしていることは以下のようになっています。
美しさ > 環境 > 形態
植物を研究している身としては、形態や環境をより意識しなければとはいつも思うのですが、結局どの角度が一番美しく見えるのか、光の当たり方はどうか、のようなことばかり考えてしまいます。これは生まれつきの性分なので仕方ないと半分割り切っています。
使っている機材
ボディ : EOS90D
愛用しているボディはCanonのEOS90Dです。以前までEOS Kiss X10を使用していましたが、どうしても奥行きの深さが表現できず買い換えました。
90DはAPS-Cで一眼レフ機という、最新機種を使っている人からすると古いような感じはしますが、十二分にいい写真は撮れます。機能が充実しており、色温度を自分で設定できる点が最高です。
レンズ : 70mm F2.8 DG MACRO
レンズはシグマの70mm F2.8 DG MACROを使用しています。価格に対してとてもいい写真が撮影できコスパは非常にいいですが、MFでピントを合わせるのがなかなか難しいです。これは使い手の技量に左右されるレンズだとも言えます。
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好きな植物写真
自分の写真
少し色褪せたような、どこか懐かしさのあるような風景写真が一般的に人気な気がしますが、植物写真において僕は完全に「ビビッド」派です。カメラの内部補正でシャープを強め、少し色味も強めています。
ハイライトは普通で、ブラックポイントが強め、色味は少し青みがかる程度の写真が好みです。
それではまず自分の写真から。縦写真が好きで縦写真多めです。
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それぞれの写真の設定は
・ワダソウ(70mm, f/6.3, 1/250, ISO800, 露出-1)
・タツナミソウ(70mm, f/5.6, 1/125, ISO640, 露出-2/3)
・アサザ(203mm, f6.3, 1/1600, ISO800, 露出-2/3)
・シマカンギク(70mm, f/4.5, 1/320, ISO1600, 露出-1)
《露出補正》
好きな対象物が日陰に咲く草本なので基本的に露出を下げていることが分かります。露出±0だとハイライト強くなりすぎて好きではありません。
《F値》
また僕が基本的に使っているマクロレンズはf2.8まで解放できるものですが、下げすぎると形態が分からなくなってしまうのでf4以上を基準に撮影しています。あまりにも暗いとf2.8まで下げることはありますが。
《ISO感度》
EOS 90DはAPS-C機なのでISO感度耐性があまり高くありません。なのでISO2000を超えないようにしています。下げれるときはガンガンに下げています。
《シャッタースピード》
いつもは1/200~1/500あたりで設定しているつもりです。大体ISO感度と相談して設定しています。ですがあまり下げすぎると後から見返したときにブレてる!とかなって最悪なことになります。(1/レンズの焦点距離×2)は必ず確保したいところです。逆にシャッタースピードだけ意識すれば、レタッチでなんとでもなるみたいな雰囲気すらあります。
師匠の写真
大学3年生のころから自然を叩き込んでくれた師匠の写真が1番好みです。僕もその写真にあこがれて同じような機材を使っています。
彼はメインの対象物が昆虫などの動くいきものですが、植物や鳥類、貝類などの知識もバケモノ級です。写真というものは勝ち負けではないのではそうなんですが、いまだに植物写真でも勝てる気がしません。
そんな師匠の植物写真です。
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僕の写真と比べて何が違うかといえば、やはり奥行きではないでしょうか。彼は生態写真屋と呼べるほど、環境を切り取るのが上手です。僕と同じく、というより僕が寄せているところは大きいですが、
《露出》低め
《F値》高め→形態が分かりやすい写真になる。
《色温度》低め
に設定しているイメージです。環境写真、生態写真を撮りたい方は参考にしてみてください。
最近ブログを更新されているのでそちらもご確認ください。いきものへの愛、視点が面白く引き付けられる文章です。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。植物写真というニッチな層に向けての内容でしたが、何か参考になるようなことがあれば幸いです。
今は植物の写真といっても草本の写真ばかり撮影していますが、最近は樹木にも興味が出てきたので、樹木の写真撮影の技法も今後研究していこうと思っています。