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恐山山地と津軽海峡のあいだ。この地で生まれる「杉の木箱」よフォーエバー

山と海の名称だけ聞くとなかなかハードなイメージが。でもそこには優しい風が吹き、ぬくぬくの下風呂温泉郷もある「風間浦村」(青森県下北郡風間浦村)。村名もナウシカっぽいじゃないですか(村名の話は最後に)。

さて、あなたの部屋には木製品はありますか?なんでもいいんです。箸や器、大きいものだとテーブルやベッドなどの家具。

それらは「どこから来たのか何の木かどこへ行くのか」。ゴーギャンじゃないけど、気になりませんか?私はなります。

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▲下北半島、陸奥湾とある港。

ドーンとでっかい丸太から製品になっちゃうまで。例えばこれも。(写真は地名のヒントだったりもして)

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昨年からのご縁で、ずっと気になっていたことが実現したのは2021年6月4日(金)。風間浦村で杉の木箱を製造・販売する有限会社畠山商店の社長、坂本愛さんのおかげ。突然の見学希望申し出にもご快諾。感謝申し上げます。

なぜ「杉」なのか?のお話しと、丸太から木箱になるまでを撮影いたしました。ちょっとコーフン、予想外のびっくりはスチームパンク風に見える(私には)「足踏み釘打ち機」(正式名称不明)。それこそ釘づけに。

まずはご覧あれ。

比較対象に「ヒバ」が出てくるところが、ジ★アオモリ。ジ。

畠山商店は、先代(創業者で坂本社長のお父さん)から続く鮮魚用の木箱※1 のほか、現在の主力商品は杉材を使った「りんご箱」※2

魚箱は漁業関係者へ、りんご箱は全国へ。おが屑は畜産農家へ敷料(しきりょう※3)として販売。牧場の多い下北地域ならではの循環型経済。

※1 「トロ箱」と呼ばれる。トロール漁(底引網漁)で獲れた魚の箱が語源。マグロかと思った。今は漁の方法、材質問わず。下北地域ではあまり言わないようです。
※2 りんごの主産地(津軽地域・弘前市中心)では元々アカマツなどの松材を使用。
※3 牛の寝床に利用。他に稲わら等も使う。よく眠れそう。

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魚箱、りんご箱においてもそれぞれ今の時代と幅広いユーザーに最適化した、いわばリブランディングと言える。

ベースである「木箱」そのものの価値を持続可能にしている背景には、先代から続く漁師さんたちとの関係もある。箱作りのきっかけも災難に見舞われた時も、そばにはいつも地元の漁師さんたちがいるのだ。
 ※ルーツや坂本社長の想いは「codamaオンライン」の記事を。(泣いた!)▶︎ https://bit.ly/37qZ2Ge

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▲畠山商店のりんご箱

漁業と林業の結びつき(もちろん周辺農業も)について全国各地の取り組みがたくさん紹介されるようになったけど、関わっていないとピンとこない。

森林法にも指定(1951年)となった「魚つき林」(うおつきりん)、30年前くらいから活発化した漁業者による植樹活動(「森は海の恋人」宮城県など)、そして今は世界で取り組むSDGs。

海が見える場所で木箱を作り、せっせと近くの漁港へ運び、全国へも送る坂本社長(通称・愛ちゃん)の日常を思い浮かべると森と海をつなぐ守護神のようだ。

その「日常」がこの地で続いていくことこそが、持続可能な開発目標の一片でもあるのだ。ピンときてない人も、どこかで鮟鱇食べた人も、単に欲しい箱があったからの人も、この一片の流れに間接的にでも巻き込まれている。

守護神の手ほどきで、釘打ち機にチャレンジしながらそんなことを考えていた。機械にキャッキャもしてたけど。

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日本の森林面積のうち約4割が戦後の伐採地に造林した人工林。その44%が杉であり、今はその半数が利用期(伐採する50年生)にきている。要するに使わないと「日本が」困るのだ。いろんな面で(かなり端折た)。
(https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/30hakusyo_h/all/chap2_1_1.html 林野庁)

一方で、海面浮遊汚染物質(プラスチック類)の53%が発泡スチロール。ポロポロ細かく飛んでったり川から流れたりもするので漁業者だけの問題ではない。(海中のマイクロプラスチックはまた別問題)
(http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/pollution/archive/d_1/floatpol/result_flp.html 気象庁)


「持続可能な…目標……ねぇ…」
大丈夫!
Don't think、Let's buy a Japanese cedar box!

▼畠山商店のオンラインショップはこちらです。


「風間浦村」村名の由来●
呂村、易国村、蛇村の合併(1889年)により各村の1文字ずつをチョイスして名前もガッペーイ!

これを知る直前までの私の頭の中には、静かな入江(浦)からと山々からふく(近隣の町よりも)穏やかな風がぶつかる間の坂道(風の谷イメージ)を颯爽と歩いている愛ちゃんがいた。

▼風間浦村の様子と愛ちゃんの仕事っぷりの一部が分かります。


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