<第20回>交配の方法を知る③
第18回から交配について一般的な方法と私なりの考え方をお伝えできればと考えて配信をしています。前回に引き続き、そもそもなぜ交配するのかについて、お話をしていきます。そして、今回は青いバラを生み出した小林森治さんについてご紹介します。
どうぞ最後までよろしくお願いします。
今回の内容もRadiotalkで配信をしています。
青いバラがこの世になかったというのは、皆様ご存知でしょうか?
今は完全に青いバラが品種改良によってできていますが、人力でこの青いバラの誕生にこぎつけた方がいらっしゃいます。
それが、小林森治さんです。
小林さんは一般のバラ育種家、所謂アマチュア園芸家で複数の青いバラの品種を世に送り出したということで有名です。
小林さんは会社勤めの傍らで、20代からバラやボタンなどの栽培を始めました。交配を始める中で「色々と美しい花はあるが、世にないものを作りたい」という思いを持たれ、青いバラの交配による育種にのめり込んだそうです。
今でこそ、青いバラですが、昔は紫色のバラを青いバラと呼んでいました。しかし、小林さんが生み出したバラは青く美しいバラです。
さて、小林さんは青薔薇を完成させるために何年かかったと思いますか?
なんと36年です。36年間、どのような行事があっても園芸と向き合い青い薔薇を作り上げました。
専門的な話になりますが、そもそもバラには青色の色素はありませんでした。しかし、小林さんの作った青いバラには青い色素が確認されたようです。これは僕の考察ですが、赤色には青色を司る色素が含まれているから、赤色の色素を抜けば良いと考えたのだと思います。
赤・青・黄色は色の三原色といって作り出すことはできませんから、赤色の中からより紫色に近いものを見つけ、選抜し、より青色に近づけていくという方法をとったのではないかと考察されます。
36年間同じ目標に向かってやり続けるってのはちょっと無理。。。と思われる方もいるかもしれません。実はそうではなく、意外と楽しいのです。
毎年、似ているけれど色や顔の違う花たちと出会うことができます。彼らの行く末を決めるのは自分しかいないと思うと、割と飽きずにやり続けることができます。
私は最近、植物に動かされている気がしてなりません。もしかしたら、植物はそうやって人に寄生して進化を遂げてきたのかもしれないと思うのです。
今日は以上です。いかがだったでしょうか?
交配を行う際には、他の種類の交配事例も大変参考になります。
また、自然にある植物を見て参考にするのも良いかもしれません。
私はいつもバラと菊を参考にしながら交配をしています。
是非みなさんも始めてみましょう。
それでは今日も良い1日を。
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