イギリスの中世もプラントベース
イギリス現代
今回はイギリスのプラントベースの話題を紹介します。
ふだんから肉を食べているイギリス人を対象にした最近の調査によると、彼らの7割以上が、肉食に罪悪感を持っているようです。
内訳は
ときどき罪悪感を覚える…5割
常に罪悪感を覚える…2割
なお、世代によってその感受性は異なっています。
調査対象になった若い人のうち、8割が罪悪感を持っているのに対し、調査対象になった中高年のうち罪悪感を持っている人の割合は6割でした。
イギリス中世
では昔のイギリスはどの程度、肉食だったのかというと…。
イギリスの中世といえば、
アーサー王
ロビン・フッド
みたいな、映画の題材によく選ばれる単語が思い浮かびます。
そうした映画などで出てくる、中世の宴会シーンには、肉がたくさん出ています。
王、女王、領主、騎士が、ローストした豚、鳩、キジ、マトンなどをビールやワインと一緒に胃袋におさめています。
中世の宴会はたしかにそんな感じでした。
しかし、ふだんの日常となると、国王も貴族も、かなりプラントベースだったようです。
最近の発掘調査で、それがわかりました。
なぜわかるのかというと、宴会みたいな肉食をふだんも行っていたとしたら、骨に痛風の兆候が大なり小なり出るはず。
ところが国王や貴族の骨にそうした兆候はなかったというのです。
宴会のときは、焼いた肉を豪勢に
ふだんはニラのスープとパン
そんな食生活だったことがうかがえる調査結果だったとのこと。
日本
参考までに、昔の日本はどうだったか。
飛鳥時代に当時の天皇が「肉食禁止令」を発布しました。
全ての肉が食べられなくなったのではなく、牛や馬、鶏などの肉を食べることが禁止されました。
その後、日本ではプラントベースな文化が続いたと考えられています。
(魚を食べる国なので、ビーガンではありませんが)
実際にはジビエ的なものを庶民はときどき食べていたようです。
けれど表向きには肉食禁止の「体制」が続きました。
時が流れ、明治維新。
国民の体格を改善して強い軍隊を持とうと考えた明治政府は、公式に肉食を解禁しました。
肉食禁止令から明治維新までの1200年間が、日本の「プラントベース時代」だったとも言えます。
(参考)