歴史に残るプラントベースフード
コショウ
世界の歴史にもっとも影響を与えた食材はおそらくコショウです。
コショウは立派なプラントベースです。
学校の歴史の時間に習った人も多いかと思いますが、
コロンブスのアメリカ大陸到達
マゼランの世界一周
どちらももともとはヨーロッパの人々の
「コショウがほしい!」
という要望から始まったものです。
コショウに次いで世界史にもっとも影響を及ぼした食材は何でしょうか?
いくつか候補がありますが、その1つはおそらくオリーブオイルです。
オリーブオイルも、考えてみれば立派なプラントベースです。
オリーブオイル
日本の学校の授業では、コショウの話は出てきますが、オリーブオイルの話は出てきません。
ですがオリーブオイルは、とくに古代から近世にかけてのヨーロッパの歴史に大きな影響を及ぼしています。
例をあげると、
古代ギリシアでアテネが栄えたのもアテネがオリーブオイルを輸出して豊かになったから。
ペルシア帝国がアテネを攻めたのはオリーブの畑を奪うのが目的だった。
ローマ帝国が栄えたのもオリーブオイルを輸出していたから。
イタリアでルネサンスが起きたのもオリーブオイルでイタリアが経済力をつけたから。
15~16世紀ごろのスペイン王国はオリーブの輸出で大儲けし、そのお金で世界各地に軍隊を送り、中南米などに植民地を建設した。
このように、オリーブオイルはヨーロッパの人々にとって「金のなる木」でした。
じつは今でも「金のなる木」です。
そのため、産地偽装なども横行し、マフィアの資金源にもなっていると今でも言われています。
「オリーブオイル・マフィア」と戦うため、現在のイタリアには
オリーブオイル専門の警察
が存在しています。
マフィアと戦う警察ですから、当然、「武闘派」でなくてはなりません。
同時に、オリーブオイルの警察ですので、味わいや香りなどをテイスティングして産地偽装を見抜く能力も要求されています。
オリーブオイルの「もしも」
日本の学校の世界史の授業でオリーブオイルの話が出ないのは、オリーブオイルが日本の歴史に登場しないからだと思われます。
ですが、じつは日本にオリーブオイルが最初に紹介されたのは、戦国時代の終わりごろです。
鉄砲を日本に紹介したポルトガル商人がオリーブオイルも紹介してくれました。
でも残念ながら、当時のオリーブオイルは高価すぎ、大名や豪商と言えどもなかなか買うことができず、普及しませんでした。
鉄砲は普及して戦国時代の戦い方を大きく変えましたが、オリーブオイルは普及しなかった。
もし、そこのころから普及していたら、いまごろオリーブオイルは醤油、味噌、豆腐などと並ぶ
「和食の象徴」
となっていたかもしれませんね。