ドラマのような映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』 2022年3月17日(水)
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』をシネマサンシャイン大和郡山のIMAXレーザーで鑑賞。
バットマンに対して多くの思い入れはないが、前評判もよく公開後の感想などでもかなり絶賛されていたので、どれどれという気持ちで観に行った。
終始陰鬱な画面で、根暗なビジランテが自分の真の役割を見出していくという成長物語であり、良質なサイコミステリーでもある。
ヒーロー映画としては究極にリアル志向で、これはかなり自分の好み。
(言及されている通りデビッド・フィンチャー的な映画であることも好みの理由)
ほとんど素顔を見せないロバート・パティンソンはとても良かった。
自警をはじめて2年ということもあり、完全にバットマンを自分のものにしていないところも好感を持った。
マントを広げて警察署から逃げるシーンのカッコ悪さなどめちゃくちゃ良かったと思う。
今作の白眉はバットモービル(であっているのかな?)が登場したシークエンス。
IMAXレーザーの威力発揮で、劇場がゴゴゴゴゴーッと地鳴りをあげて椅子が振動し出した時はかなり興奮した。
バットマンの追跡も常軌を通り越しており、思わずペンギンに対して感情移入してしまった。
完全にホラーである。
このようなホラー演出はオープニングもそうだが劇中執拗に繰り返される。
暗闇からバットマンがふっと浮かび上がるように登場する場面も多用されている。
陰鬱な雨と重低音なスコアがそのホラー演出とサイコミステリーの物語とマッチしていて、妙にワクワクしたのは自分だけだったろうか。
この3時間に及ぶバットマンの物語に、映画ではなくドラマを観ているのではないかと時折錯覚を覚えた。
尺の長さによるものなのか、ストーリーの作り方のせいなのか、正直よくわからないがフィンチャーの『マインドハンター』などを観ている気分になっていたのだ。
もちろん、大きなIMAXのスクリーンなので、すぐに「これは映画だ」と思い直すのだが、他方でドラマとしてもっと長尺で観てみたいと思う自分もいた。
これは、なんか不思議な気分だったな。