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あの有名子役がその後出演したSF映画[5選]|①

こんばんは ぷらねったです
あの有名映画で子役として活躍した少年少女たちの その後の姿
今回は「あの有名子役がその後出演した名作・傑作・カルトSF映画」というテーマで そんなSF映画の数々を紹介していきます


1.タイム・チェイサー (2013年)

監督は リッチー・メータ
『シックス・センス』,『A.I.』などで天才子役として広く知られることになった ハーレイ・ジョエル・オスメントが主演した カナダのタイムトラベルSF映画です

舞台は2000年 カナダのトロント
著名な物理学の教授である父ガブリエル 芸術家の母マリカ そして9歳の息子エロルという3人の家族は 幸せに暮らしていました
しかしある日 学会に出掛けた父ガブリエルは何の痕跡も残さずに行方不明に
後にガブリエルは死亡したと推定され この事がマリカを憔悴させてしまいました
辛い時を乗り越えて21歳になった息子のエロルは 父ガブリエルの師でもあった祖父サルの元で 物理学を学び始めます
そして サルが発見したガブリエルの研究ノートから 彼がタイムトラベルを研究していたという驚愕の事実を知ることになりました
思い立ったエロルは危険を覚悟のうえで 父と再会するためのタイムトラベルに挑むことに...というストーリーです

本作品に主演したのは かつて天才子役として日本でも有名になった ハーレイ・ジョエル・オスメントです
この映画の公開当時は25歳ですが 子役時代の純朴な眼差しは変わらずに そのまま大きくなったような姿が印象的です
たくましく伸びた無精髭をはじめ「もう子どもじゃない...」そんなメッセージを感じるシーンもいくつか登場します


また『X-ファイル』のスカリー役でお馴染みのジリアン・アンダーソンや J・J・エイブラムス原案のドラマ『エイリアス』のヴィクター・ガーバーなど 一部の方には刺さるキャスティングなのではないでしょうか


原題は『I'll Follow You Down』であり『あなたについて行きます』というような意味です
イギリスでは『Continuum』というタイトルで これは『連続したつながり』や『連続体』のような意味だといいます

そんな作中では タイムトラベルの危険性やデメリットに焦点を当てたような 家族をテーマにした物語が描かれます
タイムトラベルのもつ無限の可能性にはほとんど触れず タイムトラベルによって起きた不幸 そして起きる可能性のある不幸ばかりが言及される ある意味珍しい映画かもしれません
そんな タイムトラベルを否定するような内容が影響したのか分かりませんが 海外サイトでは賛否両論となっています
某サイトでは「1ドルでレンタルしたが高すぎた」という辛辣な意見もあれば「悪くないタイムトラベル映画」というものもありました
個人的には 決して傑作とは言えないながらも クセのあるキャスティング含め 娯楽映画としてなかなか楽しめる内容でした

タイムトラベルをテーマにしながら SFよりも家族ドラマに焦点を当てた 本作品
賛否両論あるこの映画を 気になる方はぜひ観てみてください

2.Harrison Bergeron (1995年)

監督は ブルース・ピットマン
『グーニーズ』のマイキー役で知られる ショーン・アスティンが主演した 風刺的なディストピアSF映画です

舞台は2053年
かつて冷戦後の経済不況がつづく中で始まった 第二次アメリカ独立革命が終わった後の米国内は 技術と教養をもったエリート層と失業中の貧困層に分かれ 格差が大きく拡大
これが原因になり 貧困層による暴動や爆撃が多発...そんな歴史を反省した現在の社会では すべての人々があらゆる点で平等であることが義務付けられていました
この超平等主義社会においては 市民は周囲の人々と同等の富,知性,運動能力,社会的地位を持つために それぞれが努力するよう強いられています
そんな社会において 賢いハリソン・バージェロン少年は 架空の郊外の町 ロードアイランド州マディソンに住んでいました
すべての市民はヘッドバンドのような装置を頭に装着し IQが平均値になるよう調整していましたが ハリソン・バージェロンはあまりにも賢く この装置がまったく効かなかった...というストーリーです

本作品は カート・ヴォネガットによる短編小説を基に『プロムナイトII』の監督として知られる ブルース・ピットマンが監督をつとめてテレビ映画化されました
カート・ヴォネガット原作の映画と言えば 日本では『スローターハウス5』が公開されており 知っていらっしゃる方も多いかもしれません
今作は日本では未公開の映画ですが 短編小説の長編映画化ということで 必然的に原作から内容が大きく改変されています
元々は"ショータイム"というアメリカの有料テレビにおいて 初回の放送が開始されたといいます

作中では とにかく平等であることを強制されるディストピア社会が描かれます
どれぐらい平等でなければならないかというと 例えば学校で行われる定期テストでは C判定を取ることが目標になっています
市民はヘッドバンドのような装置を頭に装着する法律になっており IQが平均値になるよう調整されているため 多くの生徒は特に意識せずともC判定を取ることができます
しかし 主人公のハリソン・バージェロンにはIQ調整装置が効かず 毎回優秀なA判定を取ってしまい 先生から注意されるような環境なのです

他にも 例えば映画では視聴者が誰でも理解できるようにするため 平均的な演技や脚本が要求され 音楽では ジャズというジャンルが存在しないことになっています
過去にあった芸術作品も 存在しなかったことになっているのです
また 勝敗を決めるスポーツでも 平等を目指した変革が起きているようです
例えばアメリカンフットボールでは 勝っているチームのクオーターバックに目隠しをするハンデが課されるという とんでもないルールになっています
そのため どうやら終盤まで負けた状態で進めることが 試合に勝つ定石のようです

そんな恐ろしい世界で この社会の深層へ入りこんでいくような 魅力的な物語が描かれるのです
非常に安っぽいオープニングから不安を煽られますが テレビ映画らしい映像ながらも 脚本や映画の作りはなかなかしっかりしています
ディストピアの定番作品である『1984年』のパロディーにも感じる設定が満載で 終盤に向けてダークさが増していき 特にラストはなかなか衝撃的です
主演のショーン・アスティンの演技が占める部分はかなり大きく『グーニーズ』のイメージで観ると驚くような ダークな内容を演じ切っています

個人的には カート・ヴォネガット作品らしい捻くれたユーモアがもう少し欲しかったところですが 皮肉の奥に隠された切実なメッセージは 映画に表されているように感じます
また 実は『スター・ウォーズ』シリーズで青年時代のアナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデン・クリステンセンも 公開当時14歳ながら 脇役で出演しています

個人的に 本作品の原作の著者であるカート・ヴォネガットの小説は『スローターハウス5』や『タイタンの幼女』などを含め いくつも読みましたが この『ハリソン・バージェロン』の原作は未読でした
日本版の小説はどうやら発売されていないようですが 短編ということで 親切にもnoteというサイトで日本語訳を載せていらっしゃる方がいましたので 気になる方は調べてみてください

そんなこの映画で描かれる冗談のようなディストピア社会は 残念ながら一部が現代社会で実現されてしまっているのが恐ろしいところで ぜひテレビ局の上層部の方や 政治家にも観てほしい映画です
作風こそ違えど『26世紀青年』にも通じる内容の 本作品
ブラックユーモアが込められた皮肉な未来予想図を ぜひ観てみてください

3.ブレインスキャン (1994年)

監督は ジョン・フリン
『ターミネーター2』から3年後 ジョン・コナー役で知られるエドワード・ファーロングが主演した アメリカのSFスラッシャー映画です

小さなころに交通事故で大ケガを負い 母親を失ったマイケルは ホラークラブの部長を務める高校生です
彼はある日 友人から 恐怖を体験できる謎のバーチャルゲーム“ブレインスキャン”についての噂を聞きました
そして それをCD-ROMで手に入れたため 仮想世界での殺人を楽しむことになります
しかし翌日 その殺人は仮想世界で起きたことではなく 現実世界で起きているのではないかということに気づく...というストーリーです

本作品は「ターミネーター2」の3年後に ジョン・コナー役のエドワード・ファーロングが主演したSF映画です
「ローリング・サンダー」などで知られる ジョン・フリンが監督をつとめました

作中では『ブレインスキャン』という謎のゲームをテーマに 家庭環境に問題を抱えた少年の物語が描かれます
今作のメインテーマになるのは"人間の潜在意識と接続して魔性を解き放ち 現実よりリアル"とされる 『ブレインスキャン』というCD-ROMに収録されたゲームです


当初はゲームではなく VHSという設定が構想されていたそうですが 仮想現実をテーマにすることで観客の興味を引くため"近未来っぽい設定"で仕上げたようです
ブレインスキャンというゲーム以外にも"イゴール"という AI搭載の便利デバイスも登場したり...他にも"トリックスター"と呼ばれるキャラは ファンタジー的な空気感を醸しだしていて「デス・ノート」のような雰囲気もあります

撮影当時 エドワード・ファーロングは15歳でしたが 監督のジョン・フリンは彼の演技に大きな不満があったようです
今作でも端整な姿を見せているファーロングについて 監督は"演技ができない15歳の子だった"と称しています
そんな彼は異常な性癖をもつ少年を演じており 危うい雰囲気がなかなかリアルで 個人的にはむしろいい演技だと感じました
その他には ところどころラウドな音楽が使われているのがおもしろく 監督の趣味を感じます
また おかしな方向へ進んでいく終盤も 予想が付かない展開になっていておもしろいです

あまり評判は良くないですが 個人的にはとても好きな内容になっている 本作品
クセ強めのカルトSF映画が好きな方にはぜひ観てほしい 傑作となっています

4.マザー/アンドロイド (2021年)

監督は マットソン・トムリン
『キック・アス』でヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツが主演した Netflixなどで配信されている アメリカのSFスリラー映画です

舞台は アンドロイドが一般家庭にまで普及した 近未来の世界
大学生のジョージア・オルセンは 恋人であるサムの子どもを妊娠し プロポーズを受けます
しかしジョージアはまだ母親になる決心がつかず 両親にもそのことを内緒にしたままでした
そんな中 安全なはずの家庭用アンドロイドたちが突如反乱を開始し 人間を襲い始めます
人々は凶暴化したアンドロイドに次々と殺されていきますが ジョージアとサムはどうにか逃げ延びることができました
数カ月後 もはや以前の生活とはかけ離れた危険なポストアポカリプス世界で 妊娠9か月のジョージアはサムと共に安全地帯を探し続ける...というストーリーです

本作品では『プロジェクト・パワー』の脚本でも知られるマットソン・トムリンが監督をつとめました
『キック・アス』でヒット・ガールを演じた クロエ・グレース・モレッツが主演しており ポストアポカリプス世界で生き抜く妊婦を演じています

作中では アンドロイドが広く普及した近未来における アンドロイドの反乱が描かれます
ある時を境に 突然スマートフォンは爆発し アンドロイド達は人々を見つけると襲い掛かり 殺そうとしてくる...要するに"高性能の人工知能が搭載された機器はすべてアウト"という設定と考えられます

映画内での細かい説明は少ないですが この世界では アジアなどの一部エリアはアンドロイドの支配から脱している状況のようです
主人公のジョージアは妊婦であり 母親になるかどうかの決断をする間もなく アンドロイドが反乱を起こす危険な世界に放り込まれてしまうのです

そんな本作品では 当時すでに20代前半とはいえ すっかり大人になったクロエ・グレース・モレッツの貫禄ある演技を見ることが出来ます
また アーサー役を演じるラウル・カスティーヨの怪演も 大きな見どころです

アンドロイドの反乱というと やはり『ターミネーター』シリーズをまず連想しますが 今更それを隠すつもりもないようで オマージュと思われるシーンがいくつか確認できます
あるシーンで ターミネーターのテーマソングと同じリズムで電子機器からノイズが発されるのは おそらく気のせいではないでしょう

映画内では 1920年にチェコの作家カレル・チャペックによって書かれた戯曲『R.U.R.』についての言及がされます
これはロボットという概念を作りだした作品だとされており 同時にロボット=反乱というイメージも定着させたとされる作品です
実はこの戯曲は2022年に日本で映画化されており『RUR -Rossum's Universal Robots-』というタイトルになっています

それはさておき...本作品の構想にあたっては 監督のマットソン・トムリンの生まれが関係しているといいます
彼はルーマニア出身であり ルーマニア革命の余波が残る1990年に生まれました
幼いころに養子縁組の経験もあり その頃の自身の体験を ロボット革命の物語に置き換えたのだといいます

そんな 監督自身の幼少期の体験を基に アンドロイドの反乱が現代的な雰囲気で描かれた 本作品
なかなか楽しめる映画になっているので ぜひ観てみてください

※本作品はNetflixで配信中

5.ドニー・ダーコ (2001年)

監督は リチャード・ケリー
子役時代は『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』,『E.T.』,『炎の少女チャーリー』などで知られた ドリュー・バリモアが出演した とにかく難解で 奇妙なアメリカのSF映画です

舞台は80年代 アメリカのマサチューセッツ州
高校生のドニー・ダーコは 優秀な姉と ダンスが得意な妹を持つ平凡な家庭に暮らしており 彼は精神が不安定なため 医師の治療を受けていました
ある晩 奇妙な声に導かれてゴルフ場へ向かうと そこにはフランクという名前の銀色のウサギがおり"世界の終わりまで あと28日と6時間と42分12秒しかない"ということをドニーに話し出す...というストーリーです

製作費は 600万ドル
『サウスランド・テイルズ』などで知られる リチャード・ケリーが監督をつとめました
本作品に出演している元子役は 生後11か月からCMに出演し 4歳で『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』そしてその後は『E.T.』,『炎の少女チャーリー』と 数々の有名映画に子役として出演した ドリュー・バリモアです
ドリュー・バリモアはこの映画に対し 自身の会社であるフラワー・フィルムズを通じて 製作費450万ドルほどを提供しています
また この内1万ドルは 作中に登場するジェットエンジンに使われたそうです

作中で描かれるのは まさに妄想を映像化したような 支離滅裂な内容です
心に問題を抱える主人公のドニーが脳内で描く景色や カウンセラーとの会話シーンが交互に映像として映しだされたり そうでなかったり...非常に難解と言える内容になっています
時系列もバラバラで 観ている側にとってもいったいどれが現実なのか 境目が次第に分からなくなっていくような映画です
物語は終始謎めいていますが その中ではタイムトラベルについても言及がされます

本作品の脚本は 監督のリチャード・ケリーが子どもの頃に読んだ『飛行機の翼から大きな氷が落ちて ある男の子の寝室に激突した』という都市伝説のニュース記事を元に 監督自身によって構想されました
統合失調症に対する知識を深めながら この脚本が完成したといいます

製作当時のリチャードケリーは新人で もちろん監督の経験もなかったため 撮影時のプレッシャーにより 9キロ近く瘦せたといいます
主演のジェイク・ギレンホールは セリフや演技,製作に自身のアイデアを取り入れることができる状況だったそうで 主人公の妹であるエリザベス役を 実の妹 マギー・ギレンホールが演じることにも繋がりました


ちなみに続編として 日本では空気のような扱いになっている「ドニー・ダーコ2」が存在します
この続編について 監督自身は一度も観たことがないそうで オリジナル版の権利を持っていなかったために 勝手に作られてしまったようです
しかし それとは別の続編も計画があるようなので 楽しみにしたいと思っています


そんな 奇妙でダークな世界観が素晴らしい 本作品
妄想を映像化し 現実を侵食していくような 傑作SF映画となっています

あとがき

今回は「あの有名子役がその後出演した名作・傑作・カルトSF映画」というテーマのSF映画紹介でした
意外なことに 子役として活躍した俳優はその後大成しないようなケースも多く 大変な職業だということを改めて実感させられます
子役のみなさんに 幸あれ...
最後までご覧いただき ありがとうございました

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