長崎ヴェルカプレーオフのすすめ~セミファイナル編
5月12日からはじまるB2プレーオフセミファイナル。
長崎ヴェルカはアルティーリ千葉とB1昇格を賭けて戦います。
昨シーズンB3に同期参入。同時昇格したライバルチーム。
最初期のライバルがクライマックスで立ちはだかる図は、スラムダンクの湘北vs陵南。
修羅の門の陸奥九十九vs海堂晃を彷彿させるシチュエーションです。
アルティーリ千葉について
長崎ヴェルカとアルティーリ千葉のチームスタッツはよく似ています。
アルティーリ千葉が掲げるのは「フローオフェンス」。
1つのスクリーンプレー(味方を壁に使ってマークを剥がしてフリーになる)が失敗しても、次の選択肢からその先があり、流れるようにプレーが行われるスタイルです。
サッカーで言えば「人もボールも動く」感じでしょうか。
指揮するのはアンドレ・レマニスHC(ヘッドコーチ)。
2013年から2019年までオーストラリア代表(世界ランキング現在3位)を率いていた名将です。
アルティーリ千葉の注目選手
アルティーリ千葉も強力な外国籍選手を擁していますが、個人的には日本人選手が肝だと思っています。
狩俣選手クラスが4、5人いる印象なのでその選手をピックアップしたいと思います。
#11 杉本慶
ポジション:シューティングガード(SG)
身長:182cm
平均アシスト6.3本はB2リーグ2位。
シューティングガードらしくシュート力もある。アルティーリ千葉の心臓的な存在。
#24 大塚裕土
ポジション:シューティングガード/スモールフォワード(SG/SF)
身長:188cm
今シーズン狩俣選手と共にB2からオールスターに出場もしたアルティーリ千葉のキャプテン。
粘り強い守備と狩俣選手のように勝負強いスリーポイントが武器。
#6 小林大祐
ポジション:シューティングガード(SG)
身長:189cm
35歳のベテラン。
シューティングガード登録ですが189cmの身長と強靭な身体でペイントエリア(ゴール付近の四角のエリア)でも戦える。
経験とバスケットIQで色んな局面にハマる選手。
#0 木田貴明
ポジション:スモールフォワード(SF)
身長:188cm
27歳。
脂がのる中でも外でも得点が取れる"ザ・スモールフォワード"な選手。
前所属の熊本では平均得点10点超え。
今シーズンのホーム2戦目では21得点を挙げられています。
#10 岡田優介
ポジション:シューティングガード(SG)
身長:185cm
青森ワッツとのクウォーターファイナルでは出場していなかったので、出場あるかは不透明ですが出てきたら間違いなく厄介な38歳のレジェンド選手。
日本代表経験もある、サッカーで言えば玉田選手がベンチから出て来る感じです。
コートを激走してマークを外し、キャッチから素早く放たれる正確なスリーポイントは芸術級。
試合前のシューティングも必見です。
以上がスタッツままですが、アルティーリ千葉の要と思う選手です。
180cm台と大型で、経験が豊富。かつ得点力が安定している選手が揃っている感じですね。
ヴェルカの注目選手
注目したいのはガード陣。
特に#1 松本健児リオン選手。
ヴェルカはレギュラーシーズン、ホームでアルティーリに2連敗を喫しましたがこの時松本選手は不在でした。
杉本選手や木田選手のスタッツを見るとこの部分はかなり大きかったように思います。
松本選手とローテーションでディフェンスのキーを担うと思われる#36 榎田選手のディフェンスにも期待。
#2小針選手はおそらく今回の対戦で両チーム通じて「最速」の選手。
「2月とは違う」ことを証明してくれそうです。
#14 髙比良選手にはオフェンス面での牽引を期待。
得意なパワフルなドライブが決まるとチームだけでなく長崎ブースターにも勢いを与えるはず。
熊本戦ではオフェンスファウル3つをはじめチーム2位のファウルドローン(ファウルを受けること)で得点以外でも試合の流れを変えた#4狩俣選手。
セミファイナルではどんな吹き出しを見せてくれるのか楽しみです。
そして#3山本エドワード選手。
クウォーターファイナル熊本戦では上手くミッションを果たせず、試合後厳しい表情を浮かべていたのが印象的でした。
しかし怪我人が多かったシーズン前半、山本選手の勝負強いシュートは何度もチームを救ってきました。
ベテラン日本人選手が多いアルティーリ戦。
見せ場を作ってくれそうな気がしています。
アルティーリは日本人選手。
ヴェルカはガード陣にフォーカスしましたがどのポジション・局面を取っても見応えのある試合になるのは間違いないと思います。
スタイル的に噛み合う両チームですが、プレーオフだからこそ相手に流れを作らせないためのディフェンスや駆け引きはレギュラーシーズンとはまた違うレベルの激しいものになることが予想されます。
2シーズンに渡ったライバルチームの1つの決着と、歴史の1ページ。
ぜひ見届けましょう。