『安倍晋三 回顧録』:赤裸々&赤裸々。政治に詳しくない一般人が読んでもめっちゃ面白いワケ。
はじめに
『安倍晋三 回顧録』がとても売れているようだ。本屋やAmazonでも品切れ状態が続いているらしい。それもよく分かる。何せこの本、政治に詳しくない一般人が読んでもめっちゃ面白いのである。
面白い理由は明確だ。各政策の"WHY"が赤裸々に語られているからである。逆に言えば、首相在任中はここまで赤裸々には言えなかったということだろう。
一国民としては政策実行中に”WHY"を明確に説明して欲しいのだが、まぁ、それは何かと難しいのだろう。全編に渡って面白いのだが、以下特に面白かった箇所を何カ所か紹介する。
コロナ対策
2020年からの数年間はなんと言っても新型コロナ禍であったわけだが、多くの人にとっても納得感のない政策が多かったのでは無いだろうか。
その要因の一つは政府が全体の政策を管理・調整出来ていなかったことと思う。本書には、なぜそのような状況になってしまったかの背景について、いくつか描かれている。
政府といえども、当該政策を所管する役所の人事権が及ばなければ、政策をコントロール出来ないということの一例だと思う。正しい・正しくないは別として、意思決定のコントロールが誰にも出来ないのであれば、全体がバラバラになるに決まっている。
これも責任と権限が曖昧なために、誰も全体をコントロール出来ていないことが伺える。
もしこんな状況、『シン・ゴジラ』のカヨコ・アン・パタースンがいたらこう言われそうだね。
感想
とまぁこのように言葉に遠慮なく、あの時のその時の舞台裏を赤裸々に語ってくれている。
新型コロナ対策の他にも、アベノミクス、モリカケサクラ、TPP、各国首脳、集団的自衛権行使容認、日韓歴史問題、自民党内人事、等、まだ記憶に新しいトピックについて裏話が満載だ。
通常、このような回顧録が出版されるのはもっと後らしいが、安倍さんが残念ながらあのような形で暗殺されてしまったことを受け、今回のタイミングでの出版となったらしい。
同時代に安倍長期政権の中を生きた者であれば、各出来事の背景を知るという意味で、とても面白い一冊なことは間違いないと思う。
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