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ダーシェンカ

"いい子だからじっとして、ダーシェンカ。動きまわるんじゃないよ。ピントを合わせてシャッターを切るだけだから、すぐに終わるよ。その間に、お話を聞かせてあげよう。"1933年発刊の本書は、かってのチェコの国民的作家による直筆イラストも嬉しい【子犬へのひたむきな愛情溢れる】一冊。

個人的には、著者の代表作の『山椒魚戦争』はまだ積ん読なままなのですが。自宅作業の気分転換として手にとりました。

さて、そんな本書は、飼っていたフォックステリアに出来た雌の子犬、ダーシェンカのための八つのおとぎ話として、犬の尻尾話から始まり、ドーベルマンやグレイハウンドといった犬の話、人間とのつきあいについて。またスケッチブックや写真も収録されているのですが。何でしょう。以前飼っていた愛犬を思い出して、ひたすらに癒されました。

また、ナチズム批判者として【ドイツのゲシュタポにマークされていた】劇作家、ジャーナリストとしても知られる著者の幅広い文筆活動の結果として、この"ふと息を休めて作ったさりげない本"があるのにも驚かされました。いつでも、どんな時でも、まわりへの愛。愛だな。とあらためて。

犬好き、動物好きな誰かへ。また著者の意外な一面を知りたい人にもオススメ。

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