【今様】京都の値段
"お金で買えないしあわせもあるが、お金で買えるしあわせもある。どうぞしあわせな京都旅を。"2016年発刊の本書は"京都のカリスマ案内人"として京都ガイド本を多数執筆している著者が真に価値ある約50の「もの」や「体験」の値段を写真と共に紹介しているお気軽エッセイ。
個人的には、知り合いからすすめられて。著者の本はテレビドラマ化された『鴨川食堂』『京都の路地裏』についで手にとりました。
さて、そんな本書は2003年にも『京都の値段』を発刊している著者が『今様』として2016年に新たに発刊したもので。第一章【おいしいお持ち帰り】では梨木神社の『染井の名水(0円) 』から増田徳兵衛商店の『月の桂・にごり酒(2700円)』まで16種類、第二章【伝統の技を手土産に】では鳩居堂の『絵葉書(80円)』からゑり善の『風呂敷(18000円)』まで10種類、第三章【京の美味を食す】では粟餅所 澤屋の『粟餅(450円)』から千ひろの『夕食(18000円)まで14種類、そして第四章【京都で憩う、文化に浸る】では源光庵の『悟り(400円)』から賀茂川の『飛び石(0円)』と9種類、計約50種類。見開き1ページ毎に写真、エッセイで紹介してくれているわけですが。
まず"はじめに"での『(京都人は)大阪人のように、値段で比較したりもしないし、値切ったりもしない』に、今は京都在住なれど【大阪にも愛着のある】私は軽く反発も覚えましたが(笑)御所の東北、梨木神社境内の『染井の名水』から案内が始まるのには、私自身が実際、京都観光に訪れる人に【必ず紹介するオススメスポット】なので、流石!と機嫌を早速直して、最後まで楽しませていただきました。
また本書では、気軽に観光で楽しめたり、お土産にするのにお手軽価格で買える商品や体験が紹介されているので、割と【旅のお供としても実用的な一冊】だと思うのですが。一方で、対比するかの様に前述の『染井の名水』から始めて賀茂川の『飛び石』で終わる。と、共通して水、そしてあえて『0円』無料であるとも言えるし【お金で買えない】とも言える2箇所の場所を紹介して終わっているのも、著者の何となくの意図を感じて良かったです。
観光で京都を訪れる人へのお手軽、実用的なエッセイとして。また京都理解を深めたい人にもオススメ。