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うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵

"浮世絵は、文学や歴史の教養があればもっと面白くなるけれど、鈴はただ、絵を眺めて〈自由な世界〉に触れるのが好きだった。受かれる妖怪たちは、どこまでも自由だ。"2019年発刊の本書は、ラストまで一気読みできる民俗学ライトミステリー。

個人的には、関わらせていただいている【読者による文学賞】の選考作品として手にとらせていただきました。

さて、そんな本書は武蔵野に残る子供にしか視えない宿屋、幽霊や妖怪などが泊まる『うつせみ屋』を主な舞台として、浮世絵師だった亡き祖父の願いを小学生のヒロインが叶えようとするのですが。美術史を人前で話す機会があった私にとっては、本書で紹介される浮世絵話は【雑学として興味深く】楽しませていただきました。

また、全部で約180ページなのですが。とても読みやすい文体もあり【あっという間に読み終えてしまう】ので、おそらく続編があると思うのですが、割とアッサリとしていて、登場人物たちのこれからの活躍をまだまだ見たかったなと読後に思ってしまいました。

気軽に読める本を探す人へ、また妖や浮世絵好きな人にもオススメ。

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