読書は格闘技
"書籍を読むとは、単に受動的に読むのではなく、著者の語っていることに対して『本当にそうなのか』と疑い、反証する中で、自分の考えを作っていくという知的プロセスでもあるのだ"2016年発刊の本書は様々なテーマ毎に違ったアプローチの2冊の本をピックアップ【対戦形式で解説していて】読みやすく刺激的。
個人的には、著者の【はっきりとした文章】が好きな事。また【自分の知らない本との出会い】を求めてガイド的に本書を手にとったのですが。
私の知る限り読書のススメ本、あるいは実際の読書会においても大抵は【一冊の本の主張を正しいものと仮定して】話を進めていく事が多い様に思われる中(最初に紹介した様に)積極的に【読んだ本を疑い】かつ、とりあげているテーマに違った、あるいは異なった意見の本も読み込んだ上で(それらの本はさておき)【自分なりの考えを構築すべき】と提案している本書は、読書初心者向けとは言えずも新鮮で、主宰する読書会にも是非取り入れてみたいと思いました。(2冊を設定するのはかなりの読書量が必要ですが。。)
また本書では『いま必要なテーマ』として、組織論、グローバリゼーション、時間管理、どこに住むべきか、才能とは、マーケティング、正義とは、国語教育、児童文学と明確な結論は出ておらず漠然としつつも、多くの人にとって【おそらくは強い関心事であろうテーマ】に沿って、某国産格闘ゲームよろしくな雰囲気で、様々な名著にわかりやすい解説を加えた上で【著者自身の考え】を述べているわけですが。本のガイドとしてもお得感があって、こちらも嬉しかったです(もっとも紹介されている本のうち、お恥ずかしくも3分の1位しか既読本がなかったのですが。。)
有名なビジネス本を著者解説で【わかりやすく復習したい】社会人の誰かに、また著者の書いている事を盲目的に受容するのではなく【能動的に自分なりの考えを持つことにつなげたい】そんなアクティブラーニングな誰かにオススメ。