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TO:KY:OO

"『TO:KY:OO』は、東京へのラブレターだ。また、この大都会がどうやって僕のクリエイティビティをかきたて、テクニックを磨く助けとなったかも示している。"2020年翻訳版が発刊された本書は世界的ゲームデザイナーがインスピレーションを受け、超現実的な情景へと再構築した"東京の夜"

個人的には主宰する読書会で複数の人にすすめられた事、また写真自体が好きな事から手にとりました。

さて、そんな本書は「アサシンクリード」「Far Cry」などのゲームデザイナーとして知られ、アメリカの経済誌『Forbes』においても『INFLUENTIAL 30 UNDER 30 (30歳未満の30人)』にも選ばれている著者が、2019年にイギリスでクラウドファンディングで出版した写真集の日本語翻訳版で。東京を3年間、何度か訪れながら、また機材もスマホから一眼カメラにアップグレートしながら、独学で写真家としての立場を確立するためのプロセスが収められているわけですが。

ゲームデザイナーらしい【色、趣旨、構図が明確な切り取り方】また、公言している『ニューロマンサー』『攻殻機動隊』『AKIRA』『エヴァンゲリオン』『ブレードランナー』といったSF、サイバーパンク、アニメからの強い影響がどの写真からも感じられ、私も前述の作品たちが好きで、かつリアル指向というより【コントラスト強めの写真が好き】という事で、ページをめくりながら、まるで映像作品を観ているように気持ちよかった。

また、一方で。エディンバラ出身だが、中国人の血もひき『自身のルーツとつながりを持つためにアジアを訪れたい』と思っていた著者が日本、東京訪問時に心が動かされて【夜、しかも雨の日を好んで】イヤホンで音楽を聴きながら『ブレードランナー』や『エンター・ザ・ボイド』気分で【シャッターボタンを楽しそうに押している姿】がどの写真からも浮かんできて。その『好意的な眼差し』も、やはり日本人の1人として嬉しかった。

東京はもちろん、SFやサイバーパンク、アニメ、漫画好きな方、また、独学で写真を撮っている方にもオススメ。

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