見出し画像

ぼちぼちいこか

"どないしたら ええのんやろ。そや。ええこと おもいつくまでーここらで ちょっと ひとやすみ。"1980年日本紹介の本書は、大阪弁の翻訳が絶妙にフィットしている、あわただしい世に、じっくりと自分をみつめ、ぼちぼちと自分について考える事の大切さを教えてくれるロングセラー絵本。

個人的に、今年を清算するかのように慌ただしく新しいことにチャレンジしている中、ちょっと一息つこうと手にとりました。

さて、そんな本書はのんびり、おっとりしたカバくんが消防士や船乗り、ピアニストやパイロットなどに次々に色々な仕事に挑戦するも【何をやってもうまくいかない】のですが。それでも挫折として深刻に悩むわけではなく【ぼちぼち行こう】と佇んでいるのが、イラストもあって何とも癒されるわけですが。

何かと新しい事にチャレンジしている人が失敗する都度【何もしなかっただけの人がチャンスとばかりに誹謗中傷してくる】時代に生きる1人として、カバくんに自分を重ねて、わかるなーと感情移入してしまった。

一方で、この本の紹介を【職探しの本】とだけ言ってしまうと大きく魅力を損ねてしまう気もして。読み聞かせなどで【子ども達みんなとコミュニケーションしながら話す】ことでまた黙読とも違う魅力をさらに発揮するように思いました。(しかし、直すれば『カバくん、何になれるかな』のタイトルを、大阪弁で『ぼちぼちいこか』に。そして全編を大阪弁にした訳者の英断!素晴らしい)

就職や転職といった職探しに疲れた誰かへ。また読み聞かせ用の絵本を探す人にオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?