文豪ナンバーワン決定戦
"目に見えるものばかりが真実ではない。分かりやすい価値ばかりが価値ではない。それを小説は教えてくれる。"2019年に福田和也監修で発刊された本書は、某異能力バトル漫画よろしく、日本文豪50人を面白さ、美文、思想性、独自性、読みやすさなど自由にランキング付けしていて雑学的に面白い。
個人的には、特に大人になってからは人によっては文学作品に触れる機会が激減するのではないか?と感じている中【どのような形であれ】文豪を紹介してくれている本には貴重さを感じる事から本書を手にとりました。
さて、本書は前述した通りに加えて【書き出し、身勝手男、恋多き人生、固い美学、エッセイの達人、若者愛され度、社会的地位、トラベラー、グルメ、慕われ度、影響力】といった様々な角度から新旧の文豪を何度も紹介しているのですが。1つ1つはコラム的に短くも、流石にこれだけの角度で紹介されると、作品だけではわからない【各文豪たちの人間性】が新たに伝わってきて楽しかったです。(クズ全開の島崎藤村。。)
また【ちょっと外した様な作品紹介】や、獅子文六などの現役時代はベストセラー作家であったにも関わらず、現在は【全く読まれなくなった作家たちも紹介されている】事から、読み進めながらまた新たな作品との出会いの予感を感じ、積ん読が更に更新されるという嬉しい悲鳴をあげてしまったり。
さくっとした感じで文豪たちの作品にとどまらない魅力に触れたい方へ。また新たな作品との出会いを探す方にもガイド的にオススメ。