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クリスマス・キャロル
"人によっては彼が別人のようになったのを見て笑ったが、彼はそういう人たちを笑うがままにしておき少しも気にかけなかった"描写の巧みさとユーモアで知られる英国の国民的作家が1843年に発刊した本書は最も有名なクリスマス文学としてだけでなく【心を開けば世界は変わる】事を教えてくれる。
個人的には、既に何度も舞台化や映画化をされた作品ではありますが、最近も【Merry Christmas!〜ロンドンに奇跡を起こした男〜】 の上映や、VR作品化などで話題になっていたことから久しぶりに本書を手にとったのですが。
正直幼い時は、よくある【子供向けの教訓物語】としての認識でしか記憶に残っていなかったのですが。この作品が出版された当時の、産業革命により現代の基準から見れば顔色が真っ青になりそうな【ブラック労働や格差の増大】など【都市化による社会問題】が噴出していた時代に、その実態を広く世に知らしめようと考えて書かれた【社会派小説(今風に言えばソーシャルキャンペーン?)でもある】ことが大人になって、わかってくると、また違った魅力を感じます。
加えて、実際に本書がベストセラーになると、改心した登場人物のスクロージの姿に感銘を受けて、巷では【メリークリスマスという挨拶が流行し】富裕層の中にも【寄付しようとする人が急増】一方で著者も応えるようと続編となるクリスマスシリーズを執筆し続けた結果、現在における、その日は【誰もが家族や隣人に暖かな眼差しを向ける】クリスマスが定着したエピソードなんかも知ると、いつしか【カップルたちが消費する日】と定着している【どこかのお国事情】を思い出して、少し恥ずかしくすらなります。(まさにリア充爆発しろ!ですね)
クリスマスを恋人や家族だけでなく【見ず知らずの誰かを想う】1日にしたい誰かに。また近代における【ソーシャルキャンペーン事例】を探す誰かにオススメ。