ルックバック
"11時19分 男が外階段から棟内に侵入 休憩中の在学生と接触する 手には実習棟で拾った先端の鋭利な工具を持っていた"2021年発刊の本書はジャンプ史上最多閲覧の読切作品として話題になった漫画関係者も多く声を寄せた女子2人の青春読切作品。
個人的には相次ぐ理不尽な放火事件にモヤモヤを感じていた事から単行本化を機に再読しました。
さて、そんな本書は学年新聞で4コマ漫画を毎週連載し同級生や家族から絶賛されていた小学4年生の女の子、藤野が、不登校児である京本に出会ったことで刺激を受け、切磋琢磨しながらいつしか二人コンビのアマチュア学生漫画家として成功を収めるも、高校進学を機にまた二人の道は別れていき。。といった誰もが共感する部分があるのでは?という学生青春物語(ただし恋愛要素はない)になっているのですが。
著者の作品は『ファイアパンチ』を二冊ほど読んだことがありましたが、まず相変わらずな画力、そして【台詞に頼らず衝撃的な展開へともっていく】流れはやはり作品として『うまい!(煉獄杏寿郎)』と声に出してしまうほどで。拙くも脚本や絵コンテを自主制作映画ですが書く立場として唸らされました。
また、多くの方が指摘しているようにブラピとディカプリオの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』他、多くの映画のオマージュが盛り込まれているのも映画好きとして楽しいのですが。やはり、単行本化によって『不適切なシーンとして指摘があったため修正された』【犯人の台詞や報道のテキスト】に関しては、WEB版と作品全体の印象こそ比較して変わらないものの、この位で修正されるなら、まず【マスメディアで連日流される事件報道】の方こそよほど問題ではないか?と、またモヤモヤしてしまった。
漫画家や絵描きを目指している、目指していた人へ。また優れた読切漫画作品を探している方にもオススメ。