日本ボロ宿紀行
"いつの頃からか"ボロ宿"に憧れ、わざわざ訪ねて旅をするようになっていました。この場合の"ボロ宿"は、決して悪口ではありません。歴史的価値のある宿から古い安宿までをひっくるめ、愛情を込めてを"ボロ宿"と呼び、私にとっては最高の褒め言葉なのです"2017年発刊の本書は人気ブログから書籍化、テレビドラマ化もされた味のある宿への愛情溢れる一冊。
個人的には高級ホテルはもちろん、味気ないビジネスホテルも選択肢にはなく【一風変わった宿泊施設を志向する】事から本書のタイトルに惹かれて手にとりました。
さて、そんな本書は青森の遊郭が転業した"新むつ旅館"から始まり、鹿児島の秘湯、白木川内温泉の"旭屋旅館"まで、全国各地の23軒が【平易な文章、また著者の個人的なエピソードも含めて紹介されている】のですが。キャッシュレスや無人化などで効率化や合理化される流れとは違う、人情味豊かなやりとりに癒されます。
また何より"ボロ宿"という名づけ方は紹介される宿にとっては抵抗のある施設もあるかもしれませんが。こうして書籍化される事で【宿泊サイトでは決してわからない魅力】が発信されているのも事実なわけで。本書はおそらくは著者の人間的な魅力もあって成功している一冊になっていると思いました。
予算はなくも刺激的な宿泊体験をしたい方や、値段だけではわからない全国各地の貴重な宿に関心ある方にオススメ。