読書会入門 人が本で交わる場所
"読書会は、本を読む一つの技法です。この本を通して、読書会の知られざるダイナミズムを、ぜひともより多くの人に感じていただければ幸いです。"2019年発刊の本書は日本最大規模の読書会主宰者による読書会の醍醐味、コミュニティ運営のヒントが詰まったキッカケを与えてくれる一冊。
自身が主宰する読書会をより良くする為の勉強を兼ね実際に著者の主宰する猫町倶楽部の読書会には何度か参加した事がある事から、確認するかのような気持ちで本書を手にとったのですが。
【10年以上の猫町倶楽部の活動変遷】そして読書会自体の魅力や効果【居場所やみんなで語ることの可能性】について、合間や巻末に課題本を豊富に紹介しながら(本好きには嬉しい!)誠実に読みやすい文章で書かれていて、私自身にとっては前述事情から目新しくは特になく、また現状は参加人数を多くするより10人以内の小規模開催に拘っていることから(単に余裕がないとも言う)方向性こそ違えど、やはり学べる部分が沢山ありました。
また、読書会やコミュニティ運営のみに注目が集まりそうですが。"私は、生活のおよそ6割程度を猫町倶楽部の運営のために費やし、本業のリフォーム業は残り4割の部分で営んでます"とも著者は書いていて。働き方改革や人生100年時代といった風潮に翻弄されるも『働く為に生きてしまっている』労働が目的化してしまっているビジネスパーソンの方々にとっても【生きる為に働いてもいる】人生にとって当たり前の事を再認識させてくれる一冊なのではないかと思いました。
読書会を始めよう、あるいは参加してみようと考えている全ての人へ。またコミュニティ運営に関わる、あるいはワークライフバランスを見直そうとしている人にもオススメ。