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浅田次郎 新選組読本

"新選組はたしかに、歴史的な存在意義を持たない(中略)しかし、歴史的な存在意義だけが人間の存在意義ではない。歴史など変えられるわけもない彼らが、その歴史の中で立派に存在を主張した"2007年発刊の本書は新選組、著者や壬生義士伝ファン必読のガイドブック。


個人的には、新選組をテーマにした『まちあるき』に参加する機会があったので、予習的に手にとりました。

さて、そんな本書は著者原作にして映画化もされた『壬生義士伝』そして『輪違屋糸里』の舞台となった場所の取材時のエピソードや、作品誕生の裏話が対談、エッセイ、インタビューといった形式で自由に収録されているわけですが。

やはり、京都駅近く、つまり新選組屯所跡近くに引っ越してきて。自分なりに新選組を調べてはいたものの、作品を描くにあたって綿密な下調べをした著者の博識さには遠く及ばないため、とても勉強になりました。(特に一見さんお断りの"輪違屋"でのお座敷体験は取材とはいえ、羨ましい)

また、著者の言うように【歴史的な意義はなく】かっては、むしろ悪役のイメージだった新選組。それが映画やドラマ、アニメや漫画といった【フィクションの世界で変化】時に美化(例えば、沖田総司=美男子とか)されていった。との指摘には、あらためて。新選組って【想像の余地が沢山あって】面白いな。と感じました。

著者ファンはもちろん、新選組ファンの気軽な一冊としてオススメ。

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