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『世界征服』は可能か?

"前置きが大変長くなりました。この本は、子供だけでなく『オトナのための世界征服』についての本です。大人になったいま、あえて『世界征服とはなにか?』『悪とはなにか?』についてマジメに考えてしまおう、という内容です。"2007年発刊の本書はトークショーから始まった愉快で刺激的な一冊。

個人的には、夜道を歩いているだけで前を歩いていた女性が『駆け足で去っていったり』シチューを作ろうとして『玉ねぎを買い忘れて』悲しい気持ちになったので【こんな世界を私は認めない。征服してやる】と内心絶叫しながら参考書として本書を手にとりました。

さて、そんな本書は著者によるトークライブハウス『ロフトプラスワン』でのワンマントークショーに加筆増量されたもので、アニメや特撮では【悪役こそが物語の主導権を握ってる!】ことが感情移入してしまう理由とし、そしてそれが【悪役による世界征服】が男女や世代を問わず人気な理由と前置きしつつ『世界征服とは何か、可能なのか?』を流石はオタキング。ショッカーにはビジョンが不足している。ガミラス帝国やピッコロ大魔王は論理的。伝説の死ね死ね団は素晴らしい!と縦横無人に話題を展開していて懐かしくまた胸熱くなりました。

一方で、北朝鮮、ローマ帝国と比較しての【理想と程遠いアメリカ主義批判】や、階層はあっても階級文化が喪失したことでの世界征服の無意味さ、悪とは人々の幸福感(=その時代の価値観)にダメージを与えること。世界征服とは【現状の価値・秩序基準を破壊すること】つまり現代なら【自由主義経済と情報の自由化】との結論づけも説得力あってなかなかに面白かった。

うん。世界征服は世界征服で【面倒でつまらなさそうだな】仕方ない。レインボーマンでも頭からみるか。絶叫しても一人。

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