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日本文学史 近代・現代編二

"日本の自然主義はヨーロッパのそれとはきわめて異なった方向へと発展した。ヨーロッパ自然主義は、主としてそれまでの浪漫主義における個の偏重への反応として起こったが、日本の自然主義文学の最大の特徴は個の探求にあった"2011年発刊の本書は自然主義から、夏目漱石、森鴎外、白樺派までを網羅した良書。

個人的には、読書会で近代日本文学を題材にしていることから【日本文学研究の第一人者であった】著者に学ばせていただこうと、シリーズ2冊目として本書を手にとりました。

さて、そんな本書では近代日本文学から現代までを語るには欠かす事のできない【夏目漱石、森鴎外の二大巨頭】そして自然主義に白樺派を代表作の紹介はもちろん、今は忘れられてしまっている作家の紹介や、当時の批評まで魅力たっぷりに紹介してくれていて、読みやすく楽しませていただきました。

また、やはり俯瞰的な視点を感じさせる、この時代の作家たちがトルストイ他、海外のどのような作家たちに影響されながら、また【西洋と日本それぞれの価値観に挟まれながら】苦悩して執筆していた様子もわかりやすく伝わってきて勉強になりました。しかし、本当に著者のアメリカ生まれとは思えない【日本文学、文化への博学さ、深い理解】には敬服しかありませんね。引き続き3巻目へと読書を進めていきます。

近代から現代までの日本文学を読み物として楽しみたい方、俯瞰的な理解を深めたい方にオススメ。

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