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京都「私設圖書館」というライフスタイル

"人の役に立って生きたい、自分がなにかして、それも自分だけしか出来ないことを一生懸命やって、それで人が喜んでくれる、そういう生き方をしたい。"2018年発刊の本書は昭和48年から続く京都洛北唯一無二の私設図書館、館主が語る『私の個人主義』的一冊。

個人的に、訪れた際に拝見した新聞記事に共感を覚えたことから手にとってみました。

さて、そんな本書は学生運動の余波が残る時代、京都大学を卒業するも【あえて就職しない道を選び】銀閣寺・哲学のそばに昭和48年(1973年)、自主独立の『私設圖書館』を創館した著者が、約40年間以上続く図書館、そして人生の【その時々で考え、自分の足で歩いてきたこと】を振り返っているのですが。

私的な話で恐縮ですが。商業ベースを目的にせずに無料配布されている紙媒体『フリーペーパー』を【誰も専門的に扱わないなら自分が】と頼まれたわけでもないのに【利益度外視、むしろ場所を借りてる分だけ単体赤字】のフリーペーパー専門店を運営している私としては、著者が【自分の損得やお金儲けを後回しにして】『誰かのためになりたい』と始めて、そこから何十年にわたって続けられている様子は【まるで人生の先輩のように】気持ちが重なる部分が多く刺激的でした。

また夏目漱石の『私の個人主義』を引き合いに出しながら【自分の快楽や利益ばかりを優先するのは(個人主義者でなく)単なる利己主義者】と切り捨て、一方で、自分の考える個人主義者とは"自己犠牲や得にならないこともする、社会へも働きかける。ただ【個人としてのアイデンティティを確認できるかを重視する】"という考え方にも、社会的な貧しさの裏返しか?『個人的な拝金自慢話』ばかりが目につく現代社会に嫌気が差している自分にとって共感しかなかった。

『私設圖書館』ファンはもちろん、人任せではない人生を歩みたい全ての方にオススメ。

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