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個別最適な学びと教科書検定の矛盾・・

先日、TBS系ドラマ「御上先生」を見ました。

これまでの学園ドラマの学校と言えば、荒れた学校や底辺校などが多いのですが、このドラマでは、「上級国民予備軍」と言われる超進学校です。
また、金八先生のようなエネルギッシュさもなく、ドラゴン桜の桜木先生のような圧もない、文部官僚として淡々としながらも教育行政の闇をつぶすのか?!という松坂桃李さんの演技が秀逸ですね!

9日の放送では、教科書検定のことが取り上げられました。
生徒が、個別最適な学びを訴えながら、教科書検定によって学びに縛られていないか・・という疑問が上がりました。
(もちろん、ドラマの文脈からいろいろな背景があるのですが、ここでは割愛します)

さて、ここから本題なのですが、
個別最適な学びを生成AIで検索すると、
「個別最適な学び」とは、子どもの特性や興味関心に応じて学習を進めていく学びであり、児童生徒の個性や能力に合わせて学びを深めることを目指しています。文部科学省もこの概念を取りまとめており、教育現場で注目されています。
と示されました。

一方で教科書検定の意義については、
教科書検定の意義は、教育の質を確保し、全国で統一された教育内容を提供することにあります。具体的には、以下の点で意義があります:

  1. 教育の標準化:教科書検定を通じて、全国で同じ水準の教育が行われるようにします。これにより、地域による教育格差を減少させることができます。

  2. 正確な情報の提供:教科書が科学的・歴史的に正確な情報を含むようにチェックします。誤った情報や偏った見解が教科書に含まれないようにすることが重要です。

  3. 教育目標の達成:各教科の学習目標に沿った内容が教科書に含まれているかを確認します。これにより、生徒が学ぶべき内容を確実に学べるようになります。

  4. 多様な視点の提供:さまざまな視点を取り入れた教科書を提供することで、生徒が幅広い知識や考え方を学べるようにします。

  5. 倫理的・社会的配慮:教科書が倫理的に問題のない内容を含むように確認します。また、性別、人種、宗教などの多様性に配慮した内容となっているかをチェックします。

と示されています。

1,3は納得します。
5はケースバイケース。
2,4は疑問が浮かびます。

御上先生のドラマの中で、文化祭で教科書検定を取りあげるきっかけとなったのが帰国子女の女生徒がアメリカの学校で受けた原爆投下の意義が日本とアメリカで食い違っていたということからでした。

特に歴史の教科書では毎回教科書検定で物議を醸しだしますよね。
政治的意図もあるのでは?と疑う部分もありますよね。

ただ生徒の興味・関心も違うので、
立場上、教科書に書いてある記述は説明します。

疑問をもつことで個別最適な学びを促す

実は私は昨年中学校の非常勤講師を務めていました。
社会科の担当でした。
残念ながら社会科は生徒の不人気教科No1な教科です苦笑

暗記が嫌いな生徒もいる一方で、
世の中のことに敏感な生徒がいます。

そうした生徒の中では定期テストの点数は悪いけど、
社会的な興味・関心を振り返りに書く生徒もいました。
今はYouTubeなどで様々な視点から動画を視聴でき、
教科書には書いていない史実も出ているのも事実です。

もちろん動画には信ぴょう性もあるので、その点はメディアリテラシーが求められます。

しかし、
教科書に書いていない史実、
違う立場からの解釈、
どれが正義なのか。

これを生徒個々の中で判断、意思決定することこそ
個別最適な学びなのではないでしょうか。

なので私は、
「ほかにもいろいろな視点、立場から史実を見ると様々な考え方が見つかるから時間があったら調べてみて」と促しました。

私は事実とその因果関係を探究させるのが仕事で、
価値は押し付けません。
右か左か
価値を決めるのは生徒自身です。

そう思うと今考えれば中学校の社会科の授業楽しかったかな!


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